上海SAMRとNMPAが「上海化粧品業界広告コンプライアンスガイドライン(意見募集稿)」を発表

上海市場監督管理局(SAMR)と上海薬品監督管理局(NMPA)が、2023年9月25日に、表題の意見募集稿を発表しました。
https://mp.weixin.qq.com/s/O-uio2ZBg09mBINz0S_Rhg

株式会社ワールドワイド・アイピー・コンサルティングジャパン(東京都文京区,以下「WWIP」)は、意見募集稿の内容より日本企業が注意すべきポイントをまとめました。

対象

化粧品製造業者販売者(化粧品登録者、登記者、製造企業、経営者、使用者団体等を含む)が製造又は運営する化粧品を宣伝するための広告。
中国国内でNMPA登録/登記を行ったものだけ広告宣伝できる。(第2条、第4条)

広告管理体制の整備

化粧品の製造業者販売者は、広告管理システムを確立し、広告管理の責任部門と責任者を明確にすること。
化粧品メーカーまたは化粧品事業者が独自に広告を掲載する場合、当該ファイルは広告終了日から少なくとも 3 年間保管しなければならない。(第9条)

資格と証明書類

化粧品の製造販売業者が化粧品広告を公表する際には、以下の資格と証明書類を有している必要がある。(第12条)

1.営業許可証
2.国内で化粧品の製造を行う場合、『化粧品製造許可証』を取得していること
3.化粧品のNMPA登録登記証明書
4.化粧品の検査合格の証明書。その中で、輸入化粧品には『輸入貨物検査検疫証明書』が必要。
5.化粧品広告内容の真実性を証明するその他の証明書

広告掲載不可の化粧品

化粧品の製造販売業者は、以下の化粧品広告を公表してはならない。(第13条)

1.NMPA登録登記を受けていない化粧品
2.登録登記が取り消された化粧品
3.化粧品業者が勝手に調製した化粧品
4.禁止原料や、登録登記されていない新原料を使用した化粧品
5.薬品監督管理部門の通告に基づき、営業停止または一時停止が発表された化粧品
6.その他生産や販売を禁止された化粧品

効能宣伝の規制

化粧品は、化粧品の登録登記で主張された効能に基づいて宣伝されるべきであり、化粧品以外の製品の効能を誇張したり宣伝してはならない。(第15条)

化粧品の広告は、現行の「化粧品分類規則及び分類目録」に記載された26種類の効能を宣伝することができる。それ以外の効能を謳うもの、妊婦・授乳婦に適すると謳うものは、「新効能」と判断され、特殊化粧品登録証明書を提出しなければならない。(第16条)

化粧品の広告は、化粧品以外の製品の効能を宣伝してはならない。(第18条)
例:

広告の種類主張できない表現
脱毛防止(抜け毛予防)ホルモン作用を調整し、発毛を促進するなど
ニキビ除去ホルモン作用を調整し、細菌を殺し(抗、抑制し)、抗炎症作用があるなど
リペア傷跡、やけど、その他の損傷部分に使用されること
デオドラント微生物の繁殖を抑制することのみによって達成されるなど
抗シワシワを取り除くなど
リフレッシュ(清涼感)病的な多汗症の抑制・改善等
ヘアケア傷んだ髪を修復する、枝毛を修復する
ビューティケアまつ毛の成長を促進する等

広告内容・形態の規制

以下の用語を避けるべきである。(第22~26条)
例:

絶対的な用語「国家レベル」、「最高レベル」、「第一」、「特級」、「トップレベル」、「最高」、「究極」、「極限」など
医療に関連する内容1.薬用化粧品、処方、処方箋、薬用、薬物、漢方薬、医療、治療、注射、妊娠線、各種皮膚病の名称、各種疾病の名称などの医療用語。
2.抗菌、抑菌、殺菌、滅菌、防菌、消炎、抗炎、活血、解毒、抗アレルギー、アレルギー防止、脱感作、シミなし、傷跡除去、発毛、脱毛停止、痩せる、脂肪溶解、脂肪吸引、痩身、顔痩せ、脚痩せなど、医療的な効果や作用を示唆または明示する表現。
虚偽、誇張、または検証できない内容1. 完全な効果、奇跡的な効果、肌の若返りなど。
2.科学界でまだ広く受け入れられていない、あるいは捏造された用語、メカニズム、概念、また、解読、デジタル、インテリジェント、赤外線、幹細胞、量子など、製品の特性とは無関係で、消費者が容易に理解できない用語。
3. 虚偽の情報を捏造し、他の正規商品を貶めること。
4. 架空、捏造、検証不能な科学研究結果・統計データ・調査結果・要約・引用等。
その他「純粋な天然製品」、「オーガニック製品」、「食品グレード」、「食用」、「ゼロ添加」、「無添加」など

WWIPより
この意見募集稿には、化粧品に使用できない表現が多数紹介されていますが、これは広告だけでなく、パッケージに謳ってはならない表現とも関連しています。そのため、NMPA申請準備段階でも参考にすべきです。2021年の化粧品新条例の施行以来、化粧品広告の規制がより厳格になっている傾向があります。NMPAの登録登記完了後、市販時の宣伝において注意すべきポイントが増えているため、弊社も今後、確定版の発表に注目しながら、化粧品申請時点から注意を払おうと考えています。
弊社では、化粧品のパッケージチェックをご提供するとともに、広告規制チェック等のサービスもご提供しております。ぜひご活用ください。

<本件に関するお問い合わせ>
株式会社WWIPコンサルティングジャパン
TEL : 03-6206-1723
Email: official@wwip.co.jp

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