【中国化粧品】北京市化粧品審査評価検査センターが「普通化粧品登記に関するFAQ」(第40期)を発表

2024年12月19日、北京市化粧品審査評価検査センターが「普通化粧品登記に関するFAQ」(第40期)として、4項目のよくある質問に回答を発表しました。

※下記の内容には、皆さんが少しでもお読みになりやすいように、一部、言葉を補った意訳も含んでおります。ご了承ください。

目次

1)すべての化粧品原料は、光毒性と光感作性について評価する必要がありますか?

 登録者/登記者は、《化粧品原料データ使用ガイドライン》中の7種の根拠分類を適用し、《既使用化粧品原料目録》中の大部分の原料に対して安全性評価をおこなうことができます。上記の根拠類型を採用できない少数の原料に対しては、《化粧品安全性評価技術ガイドライン》の要件に従い、製品の使用方法、曝露経路などに応じて、原料に存在する可能性がある健康危害や反応を、その中には光毒性や光感作性などを含めて、確認する必要があります。原料の構造特性に応じて、原料に対して十分な分析や試験を行い紫外線吸収特性がないことまたは屋外の強い紫外線にさらされる可能性がないことが証明された製品(例えば、洗い流し類および夜間使用の普通化粧品)は、皮膚光毒性および光感作性の評価が免除されることがあります。

2)化粧品に直接触れる包装材料の遷移試験を行う場合、留意される遷移物質は何ですか?

 《化粧品と包材の相互適合性試験評価技術ガイドライン》によります:遷移試験は、予測の目標浸出物に基づいて行う研究であり、包装材料中の抽出物およびその分解産物、包装材料と化粧品の反応生成物などを含みます。遷移試験で使用される分析方法は、方法学的検証を行い、その方法が化粧品中の浸出物を敏感かつ正確、安定的に検出できることを確認する必要があります。

 遷移試験を行う場合は、包装材料の材質および化粧品の種類に応じて、狙いがはっきりした試験プランで、フォーカスしなければなりません。

1. プラスチック

残留モノマー、添加剤およびその分解生成物の遷移など。

2. ガラス

アルカリイオンの放出による化粧品pHへの影響、有害元素の遷移、着色剤を含む遮光ガラス中の添加剤の遷移。内面コーティング、コーティングなどのフィルムを有するガラス容器については、フィルムの完全性とはフィルム内の添加剤の遷移などを指します。

3. メタル

金属イオンの遷移、内容物による金属の腐食、試験前後の金属コーティングの完全性、コーティング中の添加剤の遷移など。

4. ゴム

残留モノマー、添加剤およびそれらの分解生成物の遷移。ラミネート、コーティングなどの皮膜を有するゴムパーツについては、皮膜の完全性や皮膜中の添加剤の遷移など。

5. セラミックス

セラミック釉薬中の有害元素の遷移、内部メッキ、コーティングなどを備えたセラミック容器については、フィルムの完全性およびフィルム中の添加剤の遷移など。

6. メンブレンクロス

蛍光増白剤などの添加剤の遷移。

7. カプセルシェル

着色剤などの添加剤の遷移。

8. その他 上記の包装材料に関する注目点を参考にし、遷移試験プランを設計し、包装材料と化粧品の適合性を考察します。

3)化粧品の完全版安全性評価を行う場合、どのような場合に防腐効果評価を行わなくてもよいですか?

 《化粧品安全性評価技術ガイドライン》7.3.3によると、防腐システムが同一でおよび処方が類似の製品は、既存の資料および実験データを参考にして製品の安全性評価を行うことができます。製品特性によって、微生物汚染の影響を受けにくい製品、つまり非水性製品、有機溶剤がメインの製品、含水製品の中で水分活性<0.7、エタノール含有量>20%(体積)、高/低pH値(≧10または≦3)充填温度が65℃を超える製品、使い捨てまたは包装が開けられない製品などは、防腐効果を評価する必要はありません。ただし、この場合、化粧品は防腐効果を評価する必要はありませんが、化粧品安全評価者は関連する状況を説明しなければなりません。

4)2024年11月15日、中検院が《既上市製品原料使用情報(再版意見募集稿)》を公布しましたが、現行の《既上市製品原料使用情報》(4月30日版)との違いは何ですか?

第1:原料情報の収録内容がより豊富です。《既上市製品原料使用情報(再版意見募集稿)》(11月15日版)は、現行の《既上市製品原料使用情報》(4月30日版)と比較して、収録範囲を特殊化粧品から普通化粧品まで拡大し、収録原料数は1344個増加して3578個となり、使用量情報は5240件に増加し、情報収録内容が更に豊富になりました。

第2:データ使用の原則がさらに具体化。《既上市製品原料使用情報(再版意見募集稿)》(11月15日版)はに、同一使用方法の同一原料に対して使用原則が記述されている:全身、体幹部、顔面(頸部を含む)、手足、頭部、頭髪、口唇、眼部、指(足の指)爪の順序で、後ろの作用部位は前の部分の原料使用量を参照することができますが、製品の作用部位が眼部で他の部位の使用量を参考にする場合は、別途目の刺激性を評価する必要があります。中でも口唇や眼部は手足、頭部、頭髪の原料使用量を参照することはできません。体毛は、全身または体幹部の原料使用量のみを参照できます。作用部位が頭部と頭髪の両方の場合は頭部の原料使用量を参照でき、顔面(頸部を含む)、眼部および/または口唇の両方の場合は顔面(頸部を含む)の原料使用量を参照でき、作用部位に眼部が含まれる場合は、別途眼刺激性を評価する必要があり、その他複数の作用部位を有する製品で同時に使用する原料の使用量については、同一の使用方法でひとつ上位の作用部の使用量を選択します。現行の《既上市製品原料使用情報》(4月30日版)と比較して、使用原則がより具体的で、データ利用度も向上しています。

第3:一部原料の使用量が増加した。《既上市製品原料使用情報(再版意見募集稿)》(11月15日版)中の一部原料の使用量が変化しました;例えば《既上市製品原料使用情報》(4月30日版)ではストローブマツ樹皮エキスは使用部位は全身皮膚で、使用方法がリーブオンの使用量は0.000025%です。また《既上市製品原料使用情報(再版意見募集稿)》(11月15日版)では、ストローブマツ樹皮エキスは使用部位は全身で、使用方法がリーブオンの使用量は0.6%です。

WWIPより

 北京市化粧品審査評価検査センターが今回発表した4項目のFAQの中では、「2)化粧品に直接触れる包装材料の遷移試験を行う場合、留意される遷移物質は何ですか?」が、本リリースを読まれている皆さまの関心が最も高かったのではないかと推察します。
 化粧品安全性評価の完整版(完全版)の施行に伴ってNMPAから新たに要求された“化粧品と包材の相互適合性評価”については、手探りの対応をされている企業も少なくないのではないかと思います。
 以前に《化粧品と包材の相互適合性試験評価技術ガイドライン》はあくまでガイドラインであり全てに従う必要はなく、参考との位置付けであるとの認識を表明させていただきましたが、本FAQにつきましても各社の科学的な判断に基づいて対応されるようお願いいたします。

<本件に関するお問い合わせ>
株式会社WWIPコンサルティングジャパン
TEL : 03-6206-1723
Email: official@wwip.co.jp

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