【中国NMPA】「2024年第50号公告」の解釈が揺れている?!NMPAの発表と動きに要注目

2024年4月22日、中国国家薬品監督管理局(NMPA)より「国家薬監局による化粧品安全評価管理の一部措置の最適化に関する公告 (2024年第50号)」(以下「当該公告」)が発表され、その内容は以下の通り弊社リリースでもご紹介致しました。今回、当該公告に関してNMPAの解釈と判断が割れていることが分かりましたのでお知らせ致します。

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1)背景

元々NMPAは、5月以降申請する化粧品に関して、要求の厳しい「化粧品安全評価報告<完整版>」の提出を求めることとしていました。ところが、当該公告内の以下内容を見ると、2025年5月1日前(4月末)までは「化粧品安全評価報告<簡易版>」の提出が認められるものと読めます。

2、化粧品の研究開発には一定の期間が必要であり、企業が研究開発リソースを重複して投じることを避けるため、2025年5月1日前までに、化粧品の登録者や登記者が登録登記を行う際、引き続き「ガイドライン」の要件に適合する簡易版の安全評価報告を提出することができます。

「化粧品安全評価報告<完整版>」は要求のハードルが非常に高いため、NMPA申請を検討している国内外の企業を悩ませていましたが、この公告によって1年間の猶予期間が設けられたと解釈され、多くの企業が安堵しました。

2)解釈の違い

ところが、現在、中国のNMPAでは地区によってこの解釈に大きな差が出ています。弊社では上海含む主要地区の状況を確認しましたが、以下のように対応が異なることがわかりました。

2024年4月30日までに安全評価を開始していなければ※、<完整版>を用意しなければならない。

②安全評価した時期に関わらず<簡易版><完整版>両方とも使用可能。

3)①の「2024年4月30日までに安全評価を開始していなければ」という点について

当該公告と同時に発表された「国家薬監局による化粧品安全評価管理の一部措置の公告に関する政策解説」には以下の記述があります。

化粧品の研究開発が長期にわたることを考慮し、研究開発を再度行うことがないよう、 既存の要件に従って安全評価を実施した製品に関しては1年の過渡期を設けているといます。

上記より、「既存の要件(簡易版の要件)に従って安全評価した製品に関しては」という部分が①の解釈に繋がっている可能性がありますが、明確には分かりにくい部分です。

4)WWIPより

当該公告の発表時、弊社リリースでは「“化粧品安全評価報告<簡易版>”が、2025年4月末までの申請・登記でも使用できるとされ、“<完整版>の1年間の延期”が決定しました。これは4月末までに申請が間に合いそうになかった多くの企業にとって朗報です。」と発表しましたが、上記の通り、地区によっては<完整版>を要求される可能性があります。

弊社経験上、過去にもこのようにNMPA地方局によって解釈と対応の違いが生じたことがございましたが、非常に重要な点であるため、この差分については近々にNMPAが明確に追加説明を発表するのではないかと考えられます。

NMPA申請をご検討中の方へ

●普通化粧品の申請をお急ぎの方・特殊化粧品の申請をご検討中の方

 「安全評価報告<完整版>」の用意が必要となる場合を想定し、製品処方が<完整版>の要求を満たすかどうかご確認いただくようお勧め致します。

●<簡易版>での進行を検討している普通化粧品で、お急ぎでない方

 これに関するNMPAの正式な発表が出る可能性がありますので、少しお待ちいただくようお勧め致します。

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