中国食品薬品検定研究院(中検院)は、2022年8月1日に「シミ取り・美白の特殊化粧品技術指針(意見募集稿)」を公開しました。
中国食品薬品検定研究院(中検院)は、化粧品新条例の関連法規に基づき、「シミ取り・美白の特殊化粧品技術指針(意見募集稿)」を整理・起草し、2022年8月1日からパブリックコメントを募集しています。
意見募集稿は、3つの部分でメインに構成されている。
①シミ取り・美白効能の基本原理
②シミ取り・美白化粧品の定義
③シミ取り・美白化粧品に関わる各種技術要件
株式会社ワールドワイド・アイピー・コンサルティングジャパン(以下「WWIP」 : 東京都港区)は、当該意見募集稿の注目すべきポイントを以下の通りまとめました。
1.シミ取り・美白化粧品の定義
主に肌の色素沈着を抑えたり遅らせたりして、美白・美肌効果を得るための化粧品を指す。物理的なカバーのみで美白・美肌効果を実現する製品は、「シミ取り・美白(物理的なカバーのみ)」として申告できるが、このガイドラインには適用されない。水分量の増加、清潔、角質除去等による肌のトーンアップ、角質が剥がれるのを早めるものは、シミ取り美白化粧品の作用に含まれない。
2.シミ取り・美白成分に対する要求
シミ取り・美白の化粧品の製品処方では、シミ取り・美白剤を記入する必要がある。 それが単一の成分でない場合、その特定のシミ取りと美白効果の成分は、処方表の使用目的の列で明記する必要がある。植物エキスなど単一成分でないものについては、シミ取りや美白効果を発揮する特定の効能成分が必要であり、シミ取り美白効果に関する科学的な根拠を示す必要がある。
3.シミ取り・美白有効成分の根拠
シミ取り・美白剤としての使用が認められた新原料を除き、シミ取り・美白剤としての使用の合理性を説明できるよう、何らかの根拠を示すことが必要である。当該意見募集稿に基づき、以下の2種類のうち少なくとも1つを選択することができる。
①法規制資料
中国の主要人口と類似の肌質を持つ国や地域では、規制を通じて公開・承認されたシミ取り・美白剤の関連規制資料など。
②原料の作用機序の科学的根拠と効能評価報告書
当該原料を実験対象とする実験研究データ、公開された文献データ、または優良実験室規範に沿った試験機関の研究データなどが使える。なお、原料の効能評価報告書は、中国「化粧品安全技術規範」に記載されている関連試験方法に従って実施するものとする。
4.NMPA申請に関する、製品検査要件
物理化学的指標・微生物試験項目は表1の通り。
・微生物
必須項目:コロニーの総数、カビと酵母の合計、耐熱性大腸菌群、黄色ブドウ球菌、緑膿菌
・物理化学的指標
必須項目:水銀、鉛、ヒ素、カドミウム、PH値
推奨項目:メタノール、ジオキサン、アスベスト、ホルムアルデヒド、α-ヒドロキシ酸
毒理学・ヒト安全性試験項目は表2の通り。
・毒理学
必須項目:複数の皮膚刺激性試験(洗い流すスキンケア製品を除く)、皮膚感作性試験、皮膚光毒性試験、
推奨項目:急性眼刺激性試験(目に触れる製品は、本項目は必要。)
・ヒト安全性試験
必須項目:ヒト皮膚パッチテスト
推奨項目:ヒト試用試験による安全性評価(シミ取り・美白効果を主張する洗い流す製品は、本項目は必要。)
5.NMPA申請に関する、シミ取り・美白製品の効能評価試験
シミ取り・美白製品の効能評価試験は、中国化粧品安全技術規範の試験方法に準拠し、「紫外線によるヒト皮膚黒化モデル シミ取り・美白効果試験方法」または「ヒト開放使用 シミ取り・美白効果試験方法」から選択することができる。
今回の技術指針は、新条例施行以降、中国において初めて公表されたシミ取り・美白化粧品の技術面に関する法規制です。シミ取り・美白製品をこれから申請する、もしくは既に登録済みの企業にとって、注意すべき点が多いと思われます。なお、シミ取り・美白化粧品のNMPA申請に関わる試験について、WWIPでは試験受託を承っております。当社は、本技術指針の確定版が発表されるまで関連施策をフォローアップして参ります。
注:
表1、表2出典:シミ取り・美白の特殊化粧品技術指針(意見募集稿)
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