【インドネシア食品】BPOM、健康食品の安定性試験ガイドラインを公布

2025年3月24日にインドネシア国家食品薬品監督庁(BPOM)は、健康食品製品の品質保証を強化する新たな規制として、

「2025年BPOM規則第6号(PerBPOM 6/2025)健康食品の安定性試験ガイドライン」

を制定・公布しました。本ガイドラインは、製品の消費期限(shelf-life)にわたる品質維持を目的として、安定性試験の設計、評価、及び表示に関する要件を詳細に規定しています。

ASEANガイドラインとの整合性を確保

本規制は、ASEAN地域における安定性試験の共通基準「Annex V ASEAN Guideline on Stability Study and Shelf-life of Health Supplements」との整合性を図ることを目的とし、2023年10月から策定が進められてきました。関係省庁との協議やパブリックコメントを経て、2025年2月21日に制定され、3月20日に官報にて公布されました。

試験条件と評価の明確化

インドネシアはASEANの気候区分「Zone IVB」に該当し、30°C/75%RHの条件下での長期安定性試験(long-term stability study)が推奨されます。さらに、短期間での評価を目的とした加速試験(accelerated study)も併用されます。

なお、より低い条件(例:30°C/65%RH)で実施した場合は、科学的な妥当性を示す補足データの提出が求められます。

試験を行う際には、認定を受けた試験機関またはGMP認証を有する企業内試験施設で実施することが義務付けられています。

また、BPOMは次の3点を特に留意事項として挙げています:

  • 成分の不安定性の可能性
  • 加速試験データの有無
  • 使用する包装体系の特性

急拡大する健康食品市場と品質要求

BPOMの発表によると、2025年4月15日時点で6,173製品の健康健康食品が有効な登録番号を保持しています。2025年1月〜3月の第1四半期には262製品が新規登録され、前年同期(240製品)を上回る伸びを示しています。

健康食品の製造・輸入・販売を行う企業は、安全性・有効性・品質の3要素を満たす必要があり、その中でも「安定性」は製品の総合的品質を左右する要となります。

移行期間

2025年5月5日の説明会でBPOMは、本規則施行前に既に安定性試験を実施済みの企業に対し、公布日から1年以内に新基準へ適合させることを義務付けています。

また、既存の「2022年BPOM規則第32号」および「2024年改正規則第15号」の関連条項は、本規則に抵触しない限り引き続き有効とされます。

<本件に関するお問い合わせ>
株式会社WWIPコンサルティングジャパン
TEL : 03-6206-1723
Email: official@wwip.co.jp

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