上海SAMR・NMPAが「上海化粧品業界広告コンプライアンスガイドライン」を正式に発表

上海市場監督管理局(SAMR)と上海薬品監督管理局(NMPA)が、2024年3月6日に、表題の確定法を正式に発表しました。

https://www.shanghai.gov.cn/gwk/search/content/2c984a728e07910f018e12e7a4f26c49

弊社、株式会社ワールドワイド・アイピー・コンサルティングジャパン(東京都文京区、以下「WWIP」)は昨年11月に表題の規制の意見募集稿のニュースリリースを公開しました。

※参考リンク:https://wwip.co.jp/news20231116/

今回、当該規制の確定法が発表されたことを受け、意見募集稿と確定法との間に大きな違いはありませんが、注目すべき点を抜粋してまとめました。

以下、変更された箇所は、黄色いマーカーで示しています。

対象
化粧品の生産・販売事業者(営業サービスの中で化粧品を使用する事業体を含む)が生産または運営する化粧品を宣伝するための広告。
中国国内でNMPA登録/登記を行ったものだけが広告宣伝できる。(第2条、第4条)

🌟WWIPコメント:意見募集稿と比較すると、化粧品の生産・販売事業者に関する補足説明が若干変更されました。化粧品サービスに関与するすべての事業者が対象になると解釈されます。

広告管理体制の整備
化粧品の生産・販売事業者は、広告管理システムを確立し、広告管理の責任部門と責任者を明確にし、作業規範と審査プロセスを完備すること。
広告アーカイブ(ファイル)制度を設定して適時に更新し、化粧品の広告が合法的で、追跡可能であることを保証する必要がある。関連するファイルの保存期間は、法律、法規、および国の関連規定の要求に準拠しているべきである。(第9条)

🌟WWIPコメント:広告対象者全員に対し、広告の追跡を可能にするために広告ファイルの設置および保管が求められるようになりました。保管期間は具体的に明記されていません。

資格と証明書類
化粧品広告を公表する際には、以下の資格と証明書類を有している必要がある。(第12条)

1.営業許可証
2.国内で化粧品の製造を行う場合、『化粧品製造許可証』を取得していること。
3.化粧品が既に登録・登記完了されたことを証明する資料。
4.化粧品の製品品質検査合格の証明書。そのうち、輸入化粧品には『輸入貨物検査検疫証明書』が必要。
5.化粧品広告内容の真実性を証明するその他の証明書。

🌟WWIPコメント:化粧品が既にNMPAの認可を受けていることが強調されています。また、意見募集稿で言及された「化粧品の検査合格証明」が、確定法では「製品品質検査合格証明」に変更されています。

広告掲載不可の化粧品
化粧品の生産・販売事業者は、以下の化粧品広告を公表してはならない。(第13条)

1.NMPA登録登記を受けていない化粧品
2.登録登記が取り消された化粧品
3.化粧品業者が勝手に調製した化粧品
4.禁止原料や、登録登記されていない新原料を使用した化粧品
5.薬品監督管理部門の通告に基づき、営業停止または一時停止が発表された化粧品
6.その他生産や販売を禁止された化粧品

🌟WWIPコメント:意見募集稿と比べて、特に変更はありません。

効能宣伝の規制
確定法の内容に変更はなく、「化粧品分類規則及び分類目録」の内容に基づいて広告を行う必要があります。

化粧品の広告は、化粧品以外の製品の効能を宣伝してはならない。(第17条)
例:

広告の種類主張できない表現 
脱毛防止(抜け毛予防)ホルモン作用を調整し、発毛を促進するなど
ニキビ軽減ホルモン作用を調整し、細菌を殺し(抗、抑制し)、抗炎症作用があるなど
修護傷跡、やけど、その他の損傷部分に使用されること
デオドラント微生物の繁殖を抑制することのみによって達成されるなど
リフレッシュ(清涼感)病的な多汗症の抑制・改善等
美容修飾まつ毛の成長を促進する等
抗シワシワを取り除くなど
ヘアケア傷んだ髪を修復する、枝毛を修復する

広告内容・形態の規制
以下の用語を避けるべきである。(第21~26条)
例:

絶対的な用語「国家レベル」、「最高レベル」、「第一」、「特級」、「トップレベル」、「最高」、「究極」、「極限」など
医療に関連する内容1.薬用化粧品、処方、処方箋、薬用、薬物、漢方薬、医療、治療、注射、妊娠線、各種皮膚病の名称、各種疾病の名称などの医療用語。
2.抗菌、抑菌、殺菌、滅菌、防菌、消炎、抗炎、活血、解毒、抗アレルギー、アレルギー防止、脱感作、シミなし、傷跡除去、発毛、脱毛停止、痩せる、脂肪溶解、脂肪吸引、痩身、顔痩せ、脚痩せなど、医療的な効果や作用を示唆または明示する表現。
虚偽、誇張、または検証できない内容1. 完全な効果、奇跡的な効果、肌の若返りなど。
2.科学界でまだ広く受け入れられていない、あるいは捏造された用語、メカニズム、概念、また、解読、デジタル、インテリジェント、赤外線、幹細胞、量子など、製品の特性とは無関係で、消費者が容易に理解できない用語。
3. 虚偽の情報を捏造し、他の正規商品を貶めること。
4. 架空、捏造、検証不能な科学研究結果・統計データ・調査結果・要約・引用等。
その他「純粋な天然製品」、「オーガニック製品」、「食品グレード」、「食用」、「ゼロ添加」、「無添加」など

🌟WWIPコメント:効能に関する広告で使用できない表現について、条文の順序が異なること以外に、内容に大きな変更はありません。特に注目すべき点は、「化粧品の広告において、効果や安全性などを宣伝する場合、その製品の登録資料及び効能の根拠となる要約内容と一致していなければならない」と第16条に追記されたことです。

💡WWIPより
このガイドラインは2024年3月6日から正式に施行されます。NMPA上海局にて製品の登録・登記を行った企業は、広告を出す際にこの規制の要件に準拠する必要があります。特に、広告内容がNMPAに申告した資料と一致することへの注意が重要です。
上海は、中国における化粧品規制の先駆けとして業界での役割を果たしてきましたが、他の地域のNMPA局やSMAR局もこの規制を参照し、上海で良い成果が上がれば、これに追随する形で他の地域でも同様のルールが広がっていくことが予想されます。そのため、他の地域で登録登記した製品の広告を行う際にも、ぜひこの規制にお目を通していただくことをお勧めします。

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今後の弊社のリリース作成が各企業様お役に立てるよう活かしてまいります。また特定の内容について関心が高い事項についてはより一層の情報収集に努めてまいります。

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<本件に関するお問い合わせ>
株式会社WWIPコンサルティングジャパン
TEL : 03-6206-1723
Email: official@wwip.co.jp

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