【中国国家薬品監督管理局(NMPA)による発表】11/10に「化粧品の個別サービス試験運用に関する通達」が発表されました

株式会社ワールドワイド·アイピー·コンサルティングジャパン(以下「WWIP」東京都港区)は当該通達を日本語翻訳し、弊社見解を纏めました。

通達の日本語翻訳

化粧品の個別サービス試験運用に関する通達
(薬監総粧函(2022)625号)

北京、上海、浙江、山東、広東の省(市)薬品監督管理局へ

第20回党大会の精神を実行し、「行政の簡素化、地方分権、サービスの最適化」改革をさらに深化させ、化粧品産業の高品質な発展を促進するため、国家薬品監督管理局(以下、NMPAと称す)は一部の地域で化粧品の個別サービスの試験運用を実施することを決定した。該当事項は以下の通りお知らせする。

  1. 試験運用の目的

「行政の簡素化、地方分権、サービスの最適化」改革の要求を実現し、化粧品の個別サービスの実現可能なモデルと効果的な規制措置を模索し、再現・普及可能な経験と実践を開発し、消費者の需要をよりよく満たし、中国化粧品ブランドの構築と業界の高品質な発展を推進する。

2.試験運用の内容

本試験運用は2022年11月から1年間実施され、以下の業務を中心に行う。

2-1個別サービスのモデルを模索すること。

化粧品業界の「市場主体(マーケットプレーヤー)」としての役割を十分に発揮し、試験運用企業は、個別サービスソリューションの観点から、メイクアップやスキンケアなどの一般化粧品に注力することが推奨される。

2-2個別サービスモデルに対する効果的な規制措置を検討すること。

試験運用対象となる省(市)薬品監督管理局(以下、対象薬監局と称す)は、化粧品に関する既存の規制枠組みの下で規制モデルを革新し、製品備案(登記)申請・試験・サンプル保持・販売管理の面で規制アプローチを最適化するよう奨励される。

2-3個別サービスに関連する規範文書を研究・策定すること。

試験運用では、化粧品の備案、生産管理、リスクモニタリングに関する関連規制要件に基づき、合理的な最適化が行われ、化粧品の品質と安全性を確保しながら、消費者の個別の化粧ニーズに応えていく。

3.運用要件

3-1評価を丁寧に整理すること。

試験運用はNMPAの統一指導に基づき、北京、上海、浙江、山東、広東の対象薬監局が具体的に責任をもって行う。対象薬監局は、「化粧品個別サービス試験運用のプロセスと要件」に従い、試験運用の実施計画の評価を慎重に整理する必要があり、個別サービス試験運用企業として1-3社の登録者・備案者を選択することができる。対象薬監局は、2022年12月1日前までに最初の試験実施計画と関連資料をNMPAに提出し、備案する必要がある。

3-2組織の指導力を強化すること。

対象薬監局は、高い水準と厳しい要求の原則に従って、組織の指導力の強化を重視し、強い生産能力と研究開発能力、健全な生産品質管理システム、評判の良い化粧品会社を試験対象企業として選定する必要がある。試験運用モデルは、消費者の実際のニーズに合致し、高い社会的価値と普及価値を持つものでなければならない。

3-3交流の総括を強化すること。

対象薬監局は、試験運用作業における困難な問題を速やかに調査・解決し、主要な事項を適時に報告すること。国家薬品監督管理局は定期的にテーマ別会議を開催し、対象薬監局間の意見交換を促進する。

ソース:https://www.nmpa.gov.cn/xxgk/fgwj/gzwj/gzwjhzhp/20221110163204137.html

弊社見解

1.  当該通知の中で「個別サービス」の具体的な内容と目的は明確になっていませんが、化粧品企業の管理体制や主体性をNMPAが育成するためのプログラムであると考えられます。

方向性を決めるのはNMPAですが、詳細内容を詰めるのは対象とされている地方薬監局です。NMPAの通達を受け、これから地方薬監局より関連細則が公表されると考えられます。

2.  個別サービスを受ける企業は、「直近3年間、抜き取り検査で不合格製品が見つかっていない」「完全な製品のトレサビリティ・アフターサービス能力を持つ」等の条件を満たす必要があります。「個別サービスを受けた企業=優良かつ政府の指導を受けた企業」ということを意味するので業界においても消費者の視点から見ても良いイメージ作りに役立つ効果あるものの、化粧品製品の申請における優遇措置等が与えられるものではないと推測されます。

3.  当該通達内には、「中国化粧品ブランドの構築と業界の高品質な発展を推進」という言葉があるので中国国内企業を対象としていると考えられます。

ただ、通達内には境内(中国本土)、境外(香港、台湾などを含む海外)という文言はありませんので、海外企業も個別サービスの対象内となるかもしれません。

4.   この運用は一部地区で「テスト」的に実施するものですが、良い成果が出た場合は全国的に拡大されるので、対象地区以外の地区でNMPA行政手続きを行っている企業にも関わりがあると言えます。

WWIPでは、NMPA法規制全般のコンサルティングサービスを提供しております。中国に於ける化粧品申請など詳細については、不明点があればお気軽にお問い合わせ下さい。

<本件に関するお問い合わせ>

株式会社WWIPコンサルティングジャパン

TEL : 03-6206-1723

Email: official@wwip.co.jp

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