【中国国家薬品監督管理局(NMPA)による発表】1/11、「化粧品サンプリング検査管理弁法」が公告されました

https://www.nmpa.gov.cn/xxgk/ggtg/qtggtg/20230112162311197.html

当該「化粧品サンプリング検査管理弁法」(以下「弁法」)は、昨年6/24に意見募集稿(パブリックコメント)が出ていた市場流通製品のサンプリング(抜き取り)検査に関する確定法です。

以下、当該弁法のポイントと注意点です。

1)サンプリング検査の実施体制

以下の通り実施予定。

国家薬品監督管理局(NMPA)毎年、検査業務を組織する毎年、年度計画を制定する
省・自治体・直轄市の 薬品監督管理部門毎年、管轄地域内の検査業務を組織する毎年、管轄地域内の 年度計画を制定する (実施範囲の重複に注意)
市・県の薬品監督管理部門必要に応じて、管轄地域内の検査業務を組織する必要に応じて、検査計画を制定する

2)施行日

2023年3月1日施行。

3)実施形式

中華人民共和国国内にて、“現場サンプリング”と“インターネットサンプリング”の2種類の方法で実施される。サンプリング者は薬品監督管理部門もしくは、業務委託された相応の能力を有する機関。

●現場サンプリング

サンプリング者は事前告知なく現場を訪れ、化粧品生産経営者へサンプリング業務関連書類を提示して無作為に製品を抜き取り購入する。その際、領収証を保管し、必要に応じてサンプリング場所や保管環境、サンプル情報等の写真・動画を撮る。

●インターネットサンプリング

サンプリング者は購入目的を知らせずにECサイトで製品を購入し、スクリーンショットや写真・動画撮影等により、化粧品生産経営者や購入サイト等の情報を保管する。

4)重点的にチェックされる製品

①子ども用化粧品と特殊化粧品。

②新原料を使用した化粧品。

③監督検査、案件調査・処理、副作用モニタリング、安全リスクモニタリング、苦情通報、世論モニタリングなどの監督管理業務において発見された問題が多い製品。

④過去のサンプリング検査で不合格率が高い製品。

⑤流通範囲が広く、使用頻度が高い製品。

⑥その他の安全リスクの高い製品。

5)異常製品の発見

サンプリング中に以下の疑いのある製品が発見された場合は、サンプリング機関による調査が行われ、管轄の薬品監督管理部門へ通報される。

①登録されていない特殊化粧品、または販売・輸入登記手続きがなされていない一般化粧品。

②使用期限が過ぎている化粧品。

③中国語ラベルがない化粧品。

④ラベルに禁止内容が表示されている化粧品。

⑤その他の違法の疑いがある化粧品。

6)検査実施

サンプリングされた製品は検査機関へ送られ、中国における強制国家基準、技術規範、化粧品登録/登記資料に記載された技術要求等に基づき規定に適合するかどうかの検査が実施される。

7)異議申立てと再検査申請

検査結果に不服である場合、異議申し立て・再検査申請を行うことが可能。

申立て者/申請者異議申し立て再検査申請※
化粧品登録者/登記者 受託生産企業サンプルの真実性に対し異議がある場合 海外の化粧品登録者/登記者は境内責任者を通じて異議申し立て海外の化粧品登録者/登記者は境内責任者へ授権委任状を提出して再検査申請
化粧品生産経営者検査方法、基準の適用に異議がある場合検査結果に異議がある場合

※以下のケースは再検査不可。

①微生物検査項目が規定に適合しない。

②特殊な原因により再検査用の控えサンプルが再検査できない。

③サンプルが使用期限を過ぎている。

④再検査申請の提出期限を過ぎた。

⑤法律法規が規定する再検査を行わないその他の状況。

※再検査は初回とは別の検査機関で実施し、その結果は最終結論となる。

8)化粧品登録/登記者・受託生産企業への調査と措置

サンプリング検査の結果「不適合」となった場合、検証・処置部門による調査が行われる。検証・処置部門は原料仕入検査記録、在庫または残っている原料、製造記録、輸入記録、残存在庫、製品販売記録等を重点的に調査し、使用禁止原料または人体に健康被害を及ぼす可能性のある物質の検出に関わる場合、企業の在庫または残っている他のロットまたは同類製品に対してサンプリング検査が実施される。

調査の結果、健康被害に関する問題が発覚した場合は関連製品の生産・経営の一時停止措置がとられ、品質管理システムに重大な問題がある場合は、当該企業の全ての関連製品に対して生産・経営の一時停止措置がとられる。

また、検証・処置部門は化粧品登録/登記者による自己検査・改善措置・リコール等を監督管理する。

9)情報公開

サンプリング検査結果は、中国政府ウェブサイト等のメディアを通じて社会へ公開される。

WWIP見解:

サンプリング調査は従前から市場監督管理局により行われてきましたが、当該弁法によって、NMPAが市場流通する化粧品に対してますます広く厳格に監視体制をとろうとしていることがわかります。

海外企業の製品も対象となりますので、以下のように注意を払う必要があろうかと考えます。

●申請/登記時点で虚偽申告のないよう重々注意すること

●既に旧条例下で登録/登記できている製品に関しても、サンプリング検査を受けた場合に問題とならないか見直すこと

●現地代理店や販売店と、サンプリング検査が行われることも認識合わせし、在庫管理(在庫保管場所の温度・品質管理、製品の使用期限管理等)に注意を払うよう連携をとること

<本件に関するお問い合わせ>

株式会社WWIPコンサルティングジャパン

TEL : 03-6206-1723

Email: official@wwip.co.jp

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