【中国】中国国家薬品監督管理局NMPAより「化粧品監督管理改革の深化と産業の高品質発展促進に関する意見」を公表                    ― 新効能化粧品、電子ラベル、動物実験削減など主要政策を発表 ―

2025年11月17日、中国国家薬品監督管理局(NMPA)は「化粧品監督改革の深化と産業高品質発展の推進に関する意見(国薬監粧〔2025〕18号)」を公布しました。
本意見では、2030年、2035年を目処に、化粧品産業の品質向上・国際化・安全管理の強化を一体的に推進することを目的としている、と述べられています。

原文⬇️

本意見は2025年9月19日に意見募集通知が出されていましたが、今回はその確定版が発表されました。
▼意見募集通知段階の弊社リリース


本政策は、イノベーション支援、審査制度の効率化、品質管理の高度化、デジタル・国際化推進など、多方面にわたる改革措置を示しています。

■ 主なポイント(一部抜粋)

  1.  新効能をもつ化粧品・新原料の革新支援など
    • 新効能化粧品の即時受理・即時審査の実施
    • 新原料の事前相談制度の整備
    • 中国における初上市製品への優遇措置
    • パーソナライズ化粧品の革新
    • 高齢者向け化粧品の基礎研究の奨励
  2. 登録・登記制度の合理化による企業負担の軽減
    • 類似処方間での安全性資料・効能評価データの共有を許容
    • 特殊化粧品の審査期間を最大90日から最短45日へ短縮
    • 一部変更事項の登録・登記者による書類の備え置きを許容
  3. 生産・ネット販売における監督強化
    • リスクに基づく企業の分類管理を導入
    • 生産品質管理の最適化
    • ネット販売プラットフォームに対する監督責任の強化
  4. デジタル化・スマート監督の推進
    • 化粧品電子ラベル制度の本格的導入
    • 登録・使用情報のデジタル管理
    • 全業務工程のオンライン化と監督管理体制の強化
  5. 国際整合性の加速
    • 国際標準の積極的取り込みと相互承認の促進
    • 動物実験の段階的削減と代替法の推進
    • 防腐剤、防晒剤などの準用原料リストの動的更新

今後の影響
具体的な実務細則規定やガイドライン等はこれから順次発表されていくと予想されますが、本政策により、化粧品企業は以下の点において影響を受けると考えられます。

  • 審査制度の迅速化への対応
  • 提出資料要件の合理化
  • 電子ラベル導入に向けたデータ管理体制の整備
  • ネット販売領域における監督強化への適応

一方で、新規開発品の上市スピード向上、パーソナライズ化粧品のサービス等の新しいビジネスモデル創出といった新たな市場機会も期待されます。

WWIPの分析では、本意見は海外企業にとって以下のメリットがあると考えます。

  1. 手続きの迅速化
    監督体制、登録・登記の一部の提出書類の簡素化により、申請処理や情報更新がよりスピーディーに。
  2. コンプライアンス対応の効率化
    デジタル活用やオンラインシステムの強化による、書類準備・管理の効率化。
  3. 市場参入のしやすさ
    デジタル化された登録・登記者情報システムにより、手続き負担が軽減し、中国市場参入のハードルが低くなる。
  4. 監督リスクの可視化
    データ集約によりリスクが早期に把握でき、適切な対応が可能に。

本意見は、中国の化粧品監督制度を「高度化・国際化・デジタル化」へと大きく前進させる内容であり、海外企業に対しても、優れた製品・技術を積極的に中国市場へ展開するための機会を拡大するものと捉えられます。

WWIPは、引き続き最新情報および実務上のポイントを適時お届けし、皆様の中国市場での事業展開を支援してまいります。


<本件に関するお問い合わせ>
株式会社WWIPコンサルティングジャパン
TEL : 03-6206-1723
Email: official@wwip.co.jp


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