【香港】香港消費者委員会、クレイマスク(泥パック)30製品をテスト   — 9割以上から重金属を検出、一部で基準値超過を確認 —

(出典:香港消費者委員会HP、2025年9月)

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【香港消費者委員会 2025年9月発表】

香港消費者委員会は、クレイマスク(泥パック)30製品を対象に安全性テストを実施しました。その結果、9割以上の製品から重金属が検出され、うち2製品は中国本土や米国の基準値を超過していることが判明しました。また、約4割の製品から香料アレルゲン物質が検出されるなど、製品の安全性に大きな差がある実態が明らかとなりました。同委員会は消費者に対し、使用頻度や成分確認に注意するよう呼びかけています。

テストの背景と概要

香港は高温多湿な気候により、毛穴詰まりや皮脂による肌トラブルに悩む消費者が多く、クレイマスク(泥パック)は人気のスキンケア製品です。今回のテストは、鉱物泥(ミネラルクレイ)を主成分とする30製品を対象に実施されました。価格は1本79香港ドルから610香港ドルと幅広く、10ml/10gあたりの単価では約22倍の差がありました。
検査項目は重金属(ヒ素・鉛・カドミウム・アンチモン・水銀・ニッケル)、香料アレルゲン、防腐剤(パラベン類)、サリチル酸、微生物安全性、表示事項など。基準としてEU化粧品規則、米国FDA、中国「化粧品安全技術規範」などが参照されました。

主なテスト結果

  1. 重金属の検出状況
    調査対象30製品のうち28製品(約93%)から、1〜3種類の重金属が検出されました。一部製品については、中国および米国の基準値を上回るヒ素や鉛が検出されており、基準超過が明らかとなりました。また、3種類の重金属が同時に検出された製品も複数確認されました。重金属が全く検出されなかったのは、ごく少数にとどまりました。
  2. 香料アレルゲンの検出状況
    30製品のうち12製品(40%)から、1〜5種類の香料アレルゲンが検出されました。さらに一部の製品では、EUにおける洗い流し製品の表示義務基準(0.01%)を超過していることが判明しました。検出頻度が高かった成分はリナロール(9製品)およびリモネン(6製品)であり、酸化によりアレルギーリスクが増大する可能性も指摘されています。
  3. その他の成分
    ・パラベン類:2製品(基準内)
    ・サリチル酸:1製品0.47%(基準2%未満)
    ・微生物:1製品一般細菌検出(基準内)

ラベル表示上の問題点

  • 成分表が日本語のみで、中国語・英語表記が不足:3製品
  • 使用期限表示がない製品:1製品
  • 警告表示が不十分な製品:3製品

消費者へのアドバイス

  • 製品選択時:湿疹やアレルギー体質の方は成分表示を確認し、香料や防腐剤が多い製品を避けること。
  • 使用時:使用時間を守り(3〜15分)、乾燥し切る前に洗い流すこと。
  • 使用頻度:週1〜2回にとどめること。過剰使用は皮脂分泌を促す可能性あり。
  • 使用後:必ず保湿を行い、Tゾーンなど皮脂分泌部位を中心に使用するのが有効。

業界への要請

委員会はメーカーに対し、原材料・製造工程管理の徹底、重金属含有量の低減、成分表示の明確化を求めています。
今回の結果は香港税関にも引き継がれ、法規制違反の有無について調査が実施される予定です。
一部メーカーや輸入代理店からは、「検出された重金属は鉱物泥由来で基準内」「香料表示は規定に準拠」とのコメントも寄せられています。

WWIPより

香港では化粧品は「消費品」と分類され、販売にあたって当局への事前申請は不要です。しかし、消費者委員会による流通製品のサンプリング検査は頻繁に行われます。場合によっては処罰の対象となることもあるため、香港に化粧品を輸出する際には、事前の成分チェック、ヘアスプレー(ノンエアゾール含む)のVOC含有量確認、ラベル表記の確認が推奨されます。


<本件に関するお問い合わせ>

株式会社WWIPコンサルティングジャパン

TEL : 03-6206-1723

Email: official@wwip.co.jp

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