【中国化粧品】広州市市場監督管理局が「普通化粧品の登記Q&A」(第66期)を発表

2024年9月2日、広州市市場監督管理局が「普通化粧品の登記Q&A」(第66期)として、よくある5つの質問に関して発表しました。
※下記の内容には、皆さんが少しでもお読みになりやすいようにとのことから、一部、言葉を補った意訳も含んでおります。ご了承ください。

1)化粧品用着色料の許容範囲について教えてください。

「化粧品安全技術規範」によると、化粧品に使用可能な着色剤の使用範囲は、主に「各種化粧品(=全ての化粧品で使用可能)」、「眼部化粧品以外の化粧品(=目周りに使用する化粧品以外では使用可能)」、「粘膜に触れない化粧品専用(粘膜に接触する化粧品以外では使用可能)」、「皮膚に一時的に触れるだけの化粧品(洗い流す製品にのみ使用可能)」の4つに分類されています。例えば、CI 10316とCI 15510は、眼部化粧品以外の化粧品にのみ使用が認められています。
最近、化粧品の監督・管理において、化粧品安全技術規範の規定外での着色剤の使用が発見されています。登記者は処方検討をする際には、規定内の使用になっているかを厳しくチェックする必要があります。

2)Iodopropynyl Butylcarbamate(ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル)を化粧品に配合する際に注意すべき事項は何ですか?

「化粧品安全技術規範」によると、Iodopropynyl Butylcarbamateは防腐剤として、使用範囲と制限条件が3つに分類されています;

(a)洗い流す製品:
化粧品使用時の許容濃度は最大0.02%です。
ただし、唇部製品への使用は禁止です。
(b)洗い流さない製品:
化粧品使用時の最大許容濃度0.01%です。
ただし、唇部製品への使用は禁止です。
ボディクリームとボディミルクへの使用も禁止です。
(つまり、身体の広範囲に使用されるあらゆる剤型の製品に使用できません。)
(c)消臭製品と制汗製品:
化粧品使用時の最大許容濃度0.0075%です。
ただし、唇部製品への使用は禁止です。

●3種類の製品はいずれも3歳未満の子供が使用する製品には使用できません(洗い流す製品の中で、入浴製品とシャンプーは除外)。入浴製品とシャンプーを除き、3歳未満の児童が使用する可能性がある場合のみ、ラベルには「3歳未満の児童には使用しないでください(原文:三岁以下儿童勿用)」という注意事項を明記する必要があります。

登記者は、Iodopropynyl Butylcarbamateを使用する時、上記の製品類別要求に従って、「化粧品安全技術規範」の規定に適合するかどうかを調べなければなりません。 

※中国では「三岁以下」というように「以下」という文字が使用されていますが、日本語の「以下」の意味とは異なり、この場合、3歳は含まれません。つまり、「三岁以下」=「3歳未満」の意味となります。

3)エトキシ基構造の原料を使用した粉末タイプの化粧品での登記検査では、ジオキサンを追加で検査する必要がありますか?

「化粧品登録と登記検査作業規範」では、エトキシ基構造の原料を配合する製品では、ジオキサンを検査することを要求しています。2024年3月に国家薬品監督監理局は「国家薬監局が化粧品の安全技術規範(2015年版)に、化粧品の毒性試験方法に関するサンプル前処理の原則など19項目の制定・修正項目を組み入れることの通知」(2024年第12号)を発表しました。通知の中で「化粧品中のジオキサンの検査方法」の適用範囲は、もともと「水ベースの液体製品、クリーム・乳液類」の化粧品中のジオキサン含量の測定に適用されていましたが、「水ベースの液体製品、クリーム・乳液類、ジェル類、パウダー剤、クレンジングオイル類」の化粧品中のジオキサン含量の測定に拡大されました。
したがって、エトキシ基構造の原料を使用した粉末タイプの化粧品は、通告に記載された「化粧品中のジオキサンの検査方法」に従ってジオキサン含量の検査を行う必要があります。

4)化粧品(歯磨き剤)情報サービスプラットフォームのアカウント管理を強化するには?

化粧品の登記者は、プラットフォームのユーザーパスワードを適切に保管する必要があります。このユーザーによる登録・登記に関連する行為は企業を代表して実施していることになります。パスワードの紛失や漏洩によって生じた損失は、企業が自己責任で負担します。
プラットフォーム上で最初の登記、登記変更、登記抹消の前に、提出者は慎重に検討し、確認を行い、提出した内容とその事項に対して法的責任を負います。
一部の登記者がプラットフォームのアカウントを他の企業に操作を委ね、その際に保管や資料提出の責任が果たされなかった場合、結果としてリスクが非常に大きくなるため、注意すべきです。

5)委託生産企業に経営上の異常が生じた場合、化粧品の登記者はどのような措置を講じるべきか?

「化粧品生産品質管理規範」に基づき、委託者(登記者)は受託生産企業の交代制度を確立し、実施する必要があります。受託生産企業の生産条件や生産能力が変化し、もはや委託生産のニーズを満たさない場合、委託を速やかに停止し、必要に応じて受託生産企業を変更する必要があります。
委託者(登記者)は受託生産企業の生産活動を監督する必要があります。受託生産企業に経営上の異常が見つかった場合、速やかに委託を停止し、早急に生産企業を変更し、登記資料を更新する必要があります。企業の経営異常名簿は「国家企業信用情報公示システム」で確認できます。

WWIPより

上記1)2)は「中国化粧品安全技術規範2015の内容を今一度、熟読しなさい」というお達しであり、特に課題はないと思われます。
上記3)はジオキサンが界面活性剤の副生成物であることは既知のことですので、界面活性剤が高配合となる洗浄系の化粧品(シャンプーや皮膚洗浄剤等)を中心に測定が必要だと思われがちですが、ここ最近の弊社での登録・登記実績では洗浄系の化粧品に限らず、界面活性剤が配合されていればジオキサンの定量を要求されている傾向にあるので、ご注意ください。
上記4)5)は登記者が他社に登記業務や生産を委ねているケースですが、いかに信頼できるパートナー会社であるかを見極めることが大切かと思います。これまでのNMPAへの化粧品登録・登記実績等を中心に納得がいくまで事前にヒアリングする等、念入りな情報収集の上、大国である中国への化粧品上市を是非、目指してください。

<本件に関するお問い合わせ>
株式会社WWIPコンサルティングジャパン
TEL : 03-6206-1723
Email: official@wwip.co.jp

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