中国化粧品監督管理局(NMPA)が実施する海外工場査察について
11月16日付で公表されたNMPA局の通告にて日本の化粧品メーカーが査察を受け、化粧品監督管理条例並びに関連法規定に違反、国家局から上海市NMPA当局に調査、違反事項の是正措置を講じるよう命じたことが公表されました。
海外の化粧品製造工場に対する査察は、コロナ以降、欧州で1件あるため、今回の日本企業の生産工場を対象とする査察が、2件目。日本国内の工場への査察は2018年のCFDAから現在のNMPAに組織変更以降、初のケースとなります。
① 当局海外査察のポイント
当局の査察は2022年12月1日に施行された「化粧品生産品質管理規範 検査の要点及び判定の原則(公告2022年第90号)」(以下、「判定原則」と略す)に従って行われます。
海外の査察も例外ではなく、中国国内と同等レベルに相当精緻にチェックされることが知られています。
同規範には、中国国内向けの規定と読み取れる内容も含まれていますが、査察ではほとんどそうした区別がなされないことに注意を払う必要があります。
② 査察の判定基準
判定原則には、判定基準として、以下2つのリストがあります。
a) 生産企業向け(製造をおこなっている企業向け)全81項目
内訳:一般項目52、重点項目29(最重点項目3含む)
b) 委託生産企業向け(他社へ製造委託している化粧品登録者・登記者)全24項目
内訳:一般項目15、重点項目9(最重点項目1含む)
この内、以下のケースで指摘がなされると現場確認検査(査察)不合格となります。
a) 最重点項目が1つでも不合格であった場合。
b) 重点項目の瑕疵数とその他重点項目の不合格数の合計が6項目以上となった場合。
c) 重点項目と一般項目の瑕疵数と不合格数の合計が16項目以上となった場合。
査察不合格となった場合、NMPA(国家局)は、責任会社(境内責任会社)の登記がある省・自治区・直轄市のNMPA局に違法行為として調査、法に基づいた措置を要求することになっています。
③ 法に基づいた措置 中国国内企業が査察の結果、不合格となった場合、その内容に応じて、工場の生産停止、製品リコール等の法的措置がとられます。海外の生産工場では生産停止等の措置を当局がとることができない為、輸入停止、販売停止、製品リコール等の措置がとられるとされています。
④ 日本企業の査察対策
今回、初めて日本の生産工場への査察が実施されましたが、コロナの終焉を受け、今後当局は、海外査察の頻度も上げていくものと思われます。
WWIPでは、以下を懸念点として考えています。
a) 新化粧品監督管理条例施行以降の新しい法規定、通知等に沿った必要な情報や資料の補充提出や変更申請をしているか。
b) 製品申請時に本来申請すべき内容を「申請を通すこと」を目的に実態に合わない修正や削除をしていないか。
c) 化粧品生産品質管理規範 検査の要点及び判定の原則に照らした時に瑕疵や不合格となる相違が生じていないか。
⑤ WWIPが査察対策として提供できる業務
a) 中国関連法規を理解するセミナーの実施
化粧品生産品質管理規範及び関連法規を化粧品GMP(ISO22716)と対比して理解して頂くためのセミナーの開催。
b) 中国当局の査察を知るセミナーの実施
化粧品生産品質管理規範 検査の要点及び判定の原則」を中心とした査察の要点セミナーの開催。(現状に照らしたご質問 等に対応する為、企業ごとにお申し込み頂く有料セミナー)
c) 机上査察の実施。
申請時の資料、現状の生産工場の資料等をご開示いただき、資料をもとに中国法規定に照らした判定を行い報告書を提出、改善策のご提案をします。
d) 査察対応
査察官への応対をする中国人通訳の提供を含め、査察通知から査察当日、査察結果への対応まで対応します。
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