中国食品薬品検定研究院は、5月12日に「化粧品原料安全情報登録プラットフォーム入力技術ガイドラン」の意見募集稿（パブリックコメント）を通知。

株式会社ワールドワイド・アイピー・コンサルティングジャパン（東京都港区：以下「WWIP」）では、日本の原料メーカー様から依頼を受け、現在94社、1,500件の原料安全性情報の登録を進めて参りました。

この度、中国食品薬品検定研究院（国家薬品監督管理局NMPAの関連政府機関）が5月12日に公表した「化粧品原料安全情報登録プラットフォーム入力技術ガイドラン」について、その内容を検証しましたので、以下、ご報告します。

「化粧品原料安全情報登録プラットフォーム入力技術ガイドラン」のポイント

1.　当通知の内容は、2022年1月4日に国家薬品監督管理局が公開した、同一タイトルの文書をあらためて意見募集稿の形で通知したもので、原料安全情報の入力方法、安全情報を提出するにあたっての考え方等について目新しい情報はありません。但し、重要なポイント（後述３）が追加されました。

2.　当局は、2022年1月4日に公開したガイドラインの位置付けが規制制度上曖昧であったことから、あらためて公式の当局通知として位置付ける狙いがあるものと思われます。

3.　また、以下の内容（当通知13条）は、2023年34号公告「化粧品原料の安全性情報管理措置に関する公告（国家薬品監督管理局2023.3.22）」二、(3)の内容がほぼそのまま転載されています。

① 前段部分、「化粧品の登録者、備案者（WWIP注：化粧品製品申請者）は　――― 原料安全情報の内容の信頼性および完全性を審査および評価しなければならない」について、

この文面は、原料伝達コードを取得する際に当局データベースに入力した内容をそのまま確認する、評価する権利が化粧品製品申請者にあるかのように読み取れます。

しかし、当初の原料伝達コードの制度について当局は従前、原料安全情報の登録者である原料生産企業は、化粧品申請者に対し、化粧品製品申請において安全性の確認のために必要な情報を提供し協力すると説明をしていたことから考え、また、当通知の13条前段においても、データベースに入力したデータが全て確認できるDBから出力されるPDFデータの開示など具体的な情報提供方法について明示、例示されていないことから、現時点では、化粧品製品申請者から全ての情報の開示を当通知13条に基づき要求された場合でも、原料安全情報の登録者である原料生産企業が必要と考える範囲での情報提供、もしくは、従来から提供しているCOAやSDSを持って十分に原料の安全情報を提供したことになると考えます。

② 後段部分、「原材料の安全性情報を自己で記入および報告、提出し、同時に原料伝達コードに存在する問題点を説明する」については、化粧品製品申請者にとって大きな意味を持つ可能性があります。

原料安全情報の提供が化粧品製品申請において、必須（経過措置期間あり）となって以降、化粧品製品申請者は製品申請の際に、原料生産企業が提出する「添付14,Annex14」や「原料伝達コード」の原料安全情報の内容の整合性を当局から問われてきました。

時に原料生産企業が登録する内容に誤り（誤記入、誤入力）があった場合、従来はあらためて正しいデータを取り寄せる、もしくは原料伝達コードの場合は再入力して頂き、整合性が取れた安全情報の提供が必要でしたが、当通知では2023年34号公告をあらためて転載。化粧品製品申請者が自ら原料安全情報の内容について情報を追加、修正し、当局に問題点を説明できるとしました。

このことにより、化粧品製品申請者は、原料生産企業が入力した内容に誤りがあった場合、原料生産企業からの再提出を待たずして自らの説明をもって化粧品製品申請を前に進めることができる可能性があります。

4.　当通知は、意見募集稿（パブリックコメント）であり、意見募集の締め切りは５月31日となっています。実際に施行される段階で確定された内容を確認する必要があります。

通知本文の抜粋は以下のWWIPサイトよりダウンロードしていただけます。

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