香港 環境保護署 7種のCleaning製品にもVOC含有量の規制を拡大(意見募集稿)

https://www.epd.gov.hk/epd/english/environmentinhk/air/pub_consult/air_consult_archive.html

株式会社ワールドワイド・アイピー・コンサルティングジャパンは、香港 環境保護署(HongKong Environmental Protection Department)が2023年2月28日迄の「Extending the Control of Volatile Organic Compound Content to Cleaning Products;揮発性有機化合物(VOC)の含有量規則を洗浄製品に拡大(意見募集稿)」に関して、当該規定の注目すべきポイントを日本語で整理し、2023年4月14日より公開しました。

香港には他の国・エリアにあるような化粧品に特化した規制はありません。ですので、日本で販売している化粧品に対して何も成分チェック等をせず、そのまま香港で販売出来ると誤解をされている方もいらっしゃるかもしれません。香港では化粧品はConsumer products、つまり個人向けに提供され消費されるものという広い定義の中に入っております。このConsumer productsには遵守しなければならない規制があり、その1つがこの「Air Pollution Control (Volatile Organic Compounds) Regulation(Cap. 311W);大気汚染防止(VOCs規則)」になります。
https://www.elegislation.gov.hk/hk/cap311W

VOC排出量の削減は、香港とその地域で悪化しているオゾン汚染に対処するための重要な対策です。現行法では、香港で製造または香港に輸入される製品172種類に対してVOC含有量を規制しており、その中にはConsumer productsの以下の6つの大分類が含まれています。

1.Air freshener(芳香剤)
2.Hairspray(ヘアスプレー)
3.Multi-purpose lubricant(多目的潤滑剤)
4.Floor wax stripper(床用ワックス剥離剤)
5.Insecticide(殺虫剤)
6.Insect repellent(防虫剤)

香港のVOC排出量は、大気汚染物質排出削減措置の継続的な実施により、着実に減少しています。さらに大気汚染を改善するため、2021年に発行された「The Clean Air Plan for Hong Kong 2035;香港2035年大気浄化計画」では、政府がVOCs規則を影響の大きなConsumer productsのうち、洗浄製品に拡大することを打ち出しました。

今回の意見募集稿では、新たに以下の7つの洗浄製品に拡大されることを述べています。
※記載数値はVOC含有量の上限値です。

1.Bathroom and tile cleaner(浴室用およびタイル用クリーナー)
エアゾール製品:7%、ノンエアゾール製品:1% 
2.Disinfectant(消毒剤) 
エアゾール製品:70%、ノンエアゾール製品:1% 
3.General purpose cleaner(一般用クリーナー) 
エアゾール製品:8%、ノンエアゾール製品:0.5% 
4.Glass cleaner(ガラスクリーナー) 
エアゾール製品:10%、ノンエアゾール製品:3% 
5.Kitchen cleaner( キッチンクリーナー) 
エアゾール製品:8%、ノンエアゾール製品:4% 
6.Sanitiser (抗菌剤)
エアゾール製品:70%、ノンエアゾール製品:1% 
7.Toilet or urinal care product(トイレまたは泌尿器ケア製品) 
エアゾール製品:10%、ノンエアゾール製品:3%

ただし、現地で販売されている多くの消毒剤、抗菌剤の主な有効成分には、次亜塩素酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、クロロキシレノールが含まれていますが、次亜塩素酸ナトリウムはVOCではありません。また、塩化ベンザルコニウムは比較的揮発性が低く、現行のVOCs規則から除外されています。よって、これらの有効成分を含む製品は、本規制案の影響を受けません。そして、クロロキシレノール(別名PCMX)を含む消毒剤、抗菌剤については、PCMXが水に溶けにくいため、VOC溶剤を製品に添加しています。しかし、これらの製品のVOC含有量は比較的低く、提案されている含有量制限を遵守することができるはずです。

上記に加えて、液状、ジェル状、ウェットティッシュ形態のアルコールベースの消毒剤(通常60~80%のイソプロパノールを含む)も、病原体に対する手の消毒、特にCOVID-19流行に対する防疫製品としてよく使用されています。これらも、米国カリフォルニア州のVOCs規則を参照し、消毒剤および抗菌剤の定義案では除外であると記載し、最終的には本規制案の対象外とする予定です。

なお、「販売データの報告と管理」や「製品重量の2%以下の香料はVOC含有量計算の免除対象」等、既存の管理条項に変更はない予定です。

香港VOCs規則は、今後も2035年の大気浄化計画に向けて、他のConsumer productsに対してもVOC含有量の規制を拡大を進める可能性がございます。現時点では化粧品としてはヘアスプレー(エアゾール製品だけでなく、ミストタイプ等のノンエアゾール製品も対象)のみが対象ですが、油断は出来ません。
弊社では今後もこの香港VOCs規則についてタイムリーに情報を提供してまいります。
是非、弊社のニュースリリースを情報取得の場として奮ってご活用ください。

また、香港で化粧品を販売されるご予定の方は、弊社で香港 化粧品成分チェックのサービス(有料)のご提供もございますので、どうぞお気軽にお問合せください。

<本件に関するお問い合わせ>
株式会社WWIPコンサルティングジャパン
TEL : 03-6206-1723
Email: official@wwip.co.jp

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