【NMPA国家局】「企業による化粧品の品質と安全性に関する主な責任遂行の監督・管理規制」を発表
https://www.nmpa.gov.cn/xxgk/ggtg/qtggtg/jmhzhptg/20221229195623179.html
中国NMPA国家局は、2022年12月29日に「企業による化粧品の品質と安全性に関する主な責任遂行の監督・管理規制」を発表しました。株式会社ワールドワイド·アイピー·コンサルティングジャパン(以下「WWIP」東京都港区)では当該規制のポイントを整理しお知らせ致します(一部抜粋)。
本規制は、以下5章の内容で構成されています。
- 総則
- 品質安全に関する主な職務要件
- 品質安全管理体制
- 監督管理
- 附則
一、総則
●本規制の適用対象:
中華人民共和国国内の化粧品登録者・登記者・受託生産企業は、本条例を適用し、法律に従って、化粧品の品質と安全に対する責任と監督管理を実施する。
●化粧品登録者・登記者の関連義務:
①化粧品の品質、安全性と効能の主張に責任を負い、登録・登記した化粧品の研究開発、生産、運営から品質及び安全性を管理する。
②委託生産の場合、化粧品登録者・登記者が、製造活動の全過程を監督し、委託した化粧品の品質安全に対して責任を持つ。※受託生産企業は、生産活動に対して責任を持ち、委託先の監督を受け入れる。
③化粧品品質安全責任制度を設立し、化粧品の品質と安全性に関連する部署の責任を明確にする必要がある。
二、品質安全に関する主な職務要件
本章では、企業の法定代表者と品質安全責任者の職務要件及び責任がより明確に定められます。品質安全責任者の職責を中心に紹介します。
●品質安全責任者の責任
1.品質安全責任者は、法定代表者を補佐し、以下の相応の製品品質安全管理及び製品出荷責任を遂行しなければならない。
①化粧品生産活動を行う企業(自社生産・受託生産企業)の品質安全責任者:
(一)企業の品質管理体系を構築・実施し、品質安全管理責任を果たし、定期的に品質管理体系の運用状況を法定代表者に報告する。
(二)製品品質安全事項に関する決議及び関連文書の発行。
(三)製品安全評価報告、処方、生産工程、資材供給メーカー、製品ラベル等の審査確認管理、及び化粧品登録・登記資料の審査確認(受託生産企業を除く)。
(四)材料入荷管理及び製品出荷。
(五)化粧品副作用監測管理。
②自社で生産せず、外部へ生産を委託しているNMPA申請/登記会社の品質安全責任者:
(一)本企業の品質管理体系を構築・実施し、品質安全管理責任を果たし、定期的に品質管理体系の運用状況を法定代表人に報告する。
(二)製品品質安全事項に関する決議及び関連文書の発行。
(三)化粧品登録・登記資料の審査確認。
(四)委託者が資材を購入し提供する場合は、資材供給メーカー及び資材入荷の審査確認・管理。
(五)製品の市場投入。
(六)受託生産企業の選択及び生産活動の監督管理。
(七)化粧品副作用監測管理。
2.品質安全責任者は化粧品品質安全責任制度の実施を組織する責任を負うべきである。
3.品質安全責任者は独立して職務を遂行しなければならず、生産部門の責任者または職務の独立した遂行に影響を与える可能性のある他の役職を兼務してはならない。
4.品質管理体系の運用の必要性に応じて、法定代表者の同意を得て、品質安全責任者は、関連職務の遂行を支援するために他の担当者を指定することができる。
また、品質安全責任者は、以下の職責を遂行する能力を有するべきである。
- 1.専門知識を応用する能力(化粧品の品質と安全性に関する専門知識)
- 2. 法律知識を応用する能力
- 3. 組織力と調整力
- 4. リスク調査能力と判断力
- 5.その他保有すべき化粧品の品質及び安全管理能力
三、品質安全管理体制
企業は、実際の状況を踏まえ、以下の制度を確立する必要がある。
化粧品登録・登記資料の審査制度
化粧品登録者・登記者はこの制度を設立するべきである。品質安全責任者は、登録・登記資料を審査する必要がある。
化粧品生産の一致性審査制度
品質安全責任者は、初回生産前に、処方、生産工程、ラベルなどの内容を審査管理し、化粧品生産の整合性監査記録を作成する。
ロット毎の製品出荷制度
品質安全責任者は、ロット毎の製品に審査を行う。製品の各ロットが検査に合格し、かつ生産・品質管理活動の記録が責任者によって承認され、出荷記録を形成するものとする。
原因究明型の自己検査制度
サンプリング検査に不合格したり、深刻な化粧品副反応を引き起こしたりするなどの場合、品質安全責任者は、すぐにリスクマネジメント措置を取り、社内に品質と安全性のリスク要素を調査し自己検査レポートを作成する。
品質安全管理体系の自己検査制度
品質安全責任者は、「化粧品生産品質管理規範」の実施状況について毎年自己点検を行い、品質安全管理体系に関する自己点検報告書を作成する。
品質安全責任者の評価制度
企業は評価制度を確立し、品質安全責任者の職務・責任遂行能力を定期的に評価しなければならない。
品質安全責任者の研修
企業は、品質安全責任者に品質・安全管理に関する専門的知識や法的知識の学習・訓練に必要な条件を整備しなければならない。品質安全責任者は、年間40時間以上の学習・訓練を行うものとする。
福利厚生の改善
企業は、品質安全責任者に必要な労働条件と福利厚生を提供し、その職務が法律に従って遂行されることを十分に保証する必要がある。品質安全責任者に対するインセンティブ制度を確立することが奨励される。
記録の保管
企業は、法定代表者及び品質安全責任者の設定、職務遂行、評価、及び品質安全責任者の意見・提案などを記録し、検査のために2年以上保管しなければならない。
四、監督管理
NMPA監督管理部門は、化粧品品質安全責任制度の実施状況、品質安全責任者の職務遂行、及びリスクの予防と制御管理制度の実施状況などを重要な要素として監督検査している。また、品質安全責任者の業務遂行能力の抜き取り検査(無作為に行うチェック)も行う。
企業が本規制に従って品質と安全性の主な責任を実行していないことが判明した場合、状況により、監督管理部門から是正措置や罰則を受ける可能性がある。
五、附則
本規制は、2023 年 3 月 1 日から施行する。
海外の化粧品登録者・登記者の境内責任者は、法規制及び登録者・登記者との契約に基づき、化粧品の品質と安全性について相応の責任を負い、NMPA監督管理部門の監督検査業務に協力しなければならない。
WWIPから
本規制は、「化粧品生産品質管理規範」の内容と合致している箇所が多く見られますが、内容的に化粧品の品質と安全性に対する登録者・登記者の主体責任及び品質安全者の責任に重点を置いており、内容がより明確にされています。
本規制の第2条には、「本規制の適用対象が中国国内の企業」と読める言及があるのですが、海外企業に適用するかどうかについては明確に言及されていません。ただし、本規制中に別途「海外企業の製品の品質安全性問題が起こった際の品質安全責任」に関する条文もあるため、海外企業の扱いは別のようにも読めます。現時点では海外企業に本規制が適用されるかどうか不明瞭ですが、NMPAによる管理監督がますます細かく厳格になりつつあることがわかります。
今後も、NMPAは新条例施行に伴う通知や法規を発表していくと考えられます。WWIPでは法規制の変動に注目しながら、随時情報提供をしていきます。関連法規制の詳細について、ご不明点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
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