中検院(中国食品薬品検定研究院)が『既上市化粧品原料使用情報(改訂版)』の意見募集稿を発表
中検院は『既上市化粧品原料使用情報(改訂版)』の意見募集稿を発表、1,344原料追加
中検院は11月15日に原料の安全性根拠として使用可能な『既上市化粧品原料使用情報(改訂版)』の意見募集稿を発表しました。意見募集稿では改訂前の2,234原料より1,955原料が追加されていましたが、18日に611原料が削除され、現状本意見募集稿には3,578原料収載されています。(改定前の2,234原料よりも1,344原料追加されている状態)
「既上市化粧品原料使用情報(改訂版意見募集稿)」改訂説明
「既上市化粧品原料使用情報(改訂版意見募集稿)」の発表と同時に以下3点に関する「既上市化粧品原料使用情報(改訂版意見募集稿)」改訂説明も添付されています。
- 改訂背景
- 制定原則
- 重要ポイントの補足説明
WWIPより概要紹介
WWIPは概要を和訳し、以下の通りご紹介します。
2024年4月、中検院は、化粧品の安全性評価に関する11の技術通告を発表しました。その中に、既存の原料安全性データを利用する際に企業の指針となる下記の3つがありました。
- 『化粧品原料データ使用ガイドライン』
- 『既上市製品の原料使用情報』
- 『国際的権威機関による化粧品安全性評価索引』
また、「化粧品安全性評価管理の最適化に関するいくつかの措置の発表について」(2024年第50号)(国家薬品監督管理局)に基づき、データの提供を強化するため、中検院は140万件を超える現在有効な普通化粧品の登記データを参照して、配合原料およびその使用情報を整理し、本意見募集稿を作成しました。
- 客観的収録: 登録・登記済み化粧品の原料使用情報を客観的に収録。
- 範囲の一致: データ収録の範囲は、『既使用化粧品原料目録(2021年版)』および『既上市製品原料使用情報』に基本的に一致しています。この範囲には、登録・登記済み現在有効な製品に使用されている原料情報のうち、『化粧品安全技術規範』や『国際的権威機関による化粧品安全性評価索引』に未収録の原料情報も含まれます。
- 参照使用のルール:化粧品製品の安全性評価は、製品の使用方法や作用部位などに基づく暴露レベルを考慮して行われます。科学性を基盤とし、安全性評価に関連する要素を総合的に考慮した上で、異なる作用部位や使用方法に応じた参照使用の原則を策定しました。これにより、データの利用価値を向上させています。
改訂前の『既上市製品の原料使用情報』との違いは以下の図をご覧ください。
『既上市製品の原料使用情報』(現行版) | 『既上市化粧品原料使用情報 (改訂版意見募集稿)』 | |
ルール1 (変更あり) | 登録済みの特殊化粧品に使用された実績のある原料を対象としている | 登録済みの特殊化粧品及び登記済みの普通化粧品に使用された実績のある原料を対象としている |
ルール2 (変更なし) | 同一作用部位において同一原料が使用される場合、リーブオン製品の使用量しか情報がない場合は、リンスオフ製品はその使用量を参照することができる。 | |
ルール3 (変更あり) | 同一の使用方法における同一原料について: (一)全身皮膚、胴体部位、顔面、口唇、目元の順序。 | 同一の原料を同一の使用方法で使用する場合、使用量は全身皮膚、胴体部位、顔面(首を含む)、手足、頭部、頭髪、口唇、目元、指(趾)甲の順序 後ろに記載されている作用部位は前の部位の使用量を参照可能だが、製品の作用部位が目元であり、他の部位の使用量を参考にする場合は、眼刺激性の評価を別途実施する必要がある。なお、口唇および目元は手足、頭部、頭髪の使用量を参考にしてはいけない。 体毛については、全身の皮膚または胴体部位の使用量のみを参照することができる。作用部位が同時に頭部と頭髪を含む場合は、頭部の使用量を参照することができる。作用部位が同時に顔面(首を含む)、目元或いは口唇を含む場合、顔面(首を含む)の使用量を参照することができる。作用部位に目元が含まれる場合は眼刺激性を別途評価する必要がある。複数の作用部位に使用する製品の原料の使用量については、同様の使用方法を持つ上位の作用部位の使用量を選択する。 |
(二)全身の皮膚、胴体部位、手足、頭部、頭髪の順序。 後ろに記載されている作用部位は前の部位の使用量を参照可能ですが、目元の場合は眼刺激性を別途評価する必要がある。 |
本意見募集稿に含まれていない原料の種類や使用量について、化粧品の登記者が既に「化粧品安全評価技術ガイドライン(2021年版)」に基づいて評価を実施している場合、意見募集期間中に本通知に指定する方法で関連資料を提出することができます。
当局は化粧品完整版安全性評価報告書の実施における厳しさを自覚しており、原料の安全性根拠として使用できるデータを自ら収集し、公開することによって、企業の中国化粧品申請のハードルを少しでも下げようとする姿勢が見えてきました。
最初の1,955原料の発表から1,344原料に減らしたことについては特に言及がありませんが、恐らく、制定原則の通りに登記済み化粧品の原料使用情報を客観的に追加しようとしたところ、専門家や企業・組織から「問題のある成分も含まれている」等の指摘を受け、急いで削除したと考えられます。
現時点では意見募集稿であり、まだ変更が生じる可能性があるため、あくまで参考程度にご覧ください。WWIPでは当該リストの確定版が発表され次第、速やかに皆様へ情報をお届けできるよう努めてまいりますので、是非ご注目ください。
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