【香港消費者委員会による発表】50種類のヘアスタイリング剤を検査した結果、約9割から有害物質を検出、うち1種類のスプレーはVOC制限値越え

株式会社ワールドワイド・アイピー・コンサルティングジャパン(以下「WWIP」)は、2024年7月15日に香港消費者委員会が発表した、ヘアスタイリング剤50種類(輸入品を含む)のサンプリング検査結果及び注意の呼びかけの内容を日本語で整理し、情報提供いたします。

香港消費者委員会は中国大陸の「化粧品安全技術規範」、欧州連合(EU)の「化粧品規則」、香港の「大気汚染規制(揮発性有機化合物規制)」の関連要求に基づき、市場に流通している50種類のヘアスタイリング剤をサンプリング検査しました。その結果、9割以上のサンプルから有害物質が検出され、そのうち一部は中国大陸、EU、香港の関連規定の制限値を超えたものもありました。

その中の4種類からEUに使用禁止とされている生殖毒性を引き起こす香料に含まれるブチルフェニルメチルプロピオナール(BMHCA)が検出され、3種類からEUに使用禁止とされている防腐剤のメチルイソチアゾリノン(MIT)が検出されました。また、1種類からは中国大陸とEUの制限値を超えた含有量であった防腐剤のパラベンが含まれていることが判明し、スプレータイプのヘアスタイリング剤からは香港規制の制限値55%を超えた揮発性有機化合物(VOC)※77%が検出されました。

※以前、WWIPは香港VOC規則の拡大(意見募集稿)について、リリースを発表しました。以下の内容をご参照ください。
https://wwip.co.jp/news20230414/

また、今回の50種類ヘアスタイリング剤のサンプリング検査の結果を通じて、約半数の検査対象のラベルに関しても問題が見つかりました。サンプルの約4割(19種)は、中国語や英語で全成分が表示されておらず、消費者は製品にアレルギー物質が存在するか否かの情報が分かりません。これにより誤使用によるアレルギー反応が発生する可能性が高まります。17種類のサンプルには使用期限の情報が一切表示されていません。さらに、1種類のエアゾールタイプのサンプルは、パッケージに中国語や英語で「引火性または高温を避ける」という警告が表示されていませんでした。
消費者委員会は関連業者に製品ラベルの改善を促すよう言及しました。

同時に、香港消費者委員会は消費者にヘアスタイリング剤を購入する前に、必ず製品の全成分や使用方法とラベル等詳しい情報を確認した上で購入するよう呼びかけました。

WWIPより

ご存知の通り、香港には他の国・エリアにあるような化粧品に特化した規制がありません。化粧品は香港においては「消費品」と分類されていますので、販売するための当局に対する事前の申請手続きは不要です。

しかし、今回のように香港消費者委員会は流通されている製品に対してサンプリング検査を行うこともよくあります。場合によっては、相応の処罰を受ける可能性もありますので、香港に化粧品を輸出する際には、事前の成分チェックやヘアスプレー(ノンエアゾールタイプも含む)のVOC含有量チェック、ラベルの記載内容のチェックを行うようお勧めいたします。

<本件に関するお問い合わせ>

株式会社WWIPコンサルティングジャパン

TEL : 03-6206-1723

Email: official@wwip.co.jp


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