【マレーシア化粧品】2025年1月以降、保健省に通知証明書を取り消された化粧品が、ECサイトで販売されていることを発見

2025年初頭より、マレーシア国家薬品規制庁(NPRA)は、有害物質を含む複数の化粧品のリストを公表しました。これらの製品については、マレーシア保健省により承認が取り消され、国内での販売が禁止されています。

しかしながら、一部報道によりますと、当該の有害物質を含む化粧品が依然として電子商取引(EC)サイト上で販売されていることが確認されております。

WWIPが調査を行った結果、販売が禁止されている化粧品の一部が、現在も購入可能な状態で掲載されていることが判明いたしました。

承認が取り消され、国内での販売が禁止された製品と規制について

以下は販売が禁止された製品の参考リストになります。*(全てではありません)

上記表の製品に含まれている有害物質には、水銀、ハイドロキノン、トレチノイン、およびベタメタゾン17-バレレートなどがあります。

水銀は化粧品への使用が禁止されている成分です。水銀は体内に吸収される可能性があり、腎臓や神経系に損傷を与えるおそれがあります。また、乳幼児や胎児の脳の発達にも悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、水銀は発疹や皮膚の炎症、その他の皮膚障害を引き起こすこともあります。

ハイドロキノン、トレチノイン、ベタメタゾン17-バレレートなどの成分は、いずれも医薬品に分類されており、医薬品規制当局(DCA)への登録が必要で、医療専門家の指導のもとでのみ使用されなくてはならないものです。これらの成分を含む製品を医療専門家の監督なしに使用すると、予期せぬ副作用が生じる可能性があります。

保健省は、これらの有害物質を含む製品に対して、小売業者および流通業者に警告を通達しました。

通達された化粧品を販売・流通している企業は、直ちに販売および流通を中止しなければならず、販売配布することは、1984年「薬品および化粧品管理規則」に違反となります。

この規則に違反した個人は、初回の違反で最大25,000リンギットの罰金、または最長3年の拘禁刑、あるいはその両方が科される可能性があります。再犯の場合、罰金は最大50,000リンギット、または最長5年の拘禁刑、あるいはその両方となる可能性があります。

法人が違反した場合は、初回最大50,000リンギット、再犯は最大100,000リンギットの罰金が科される可能性があります。

一部メディアによる報道

マレーシアの新聞『Utusan Malaysia』の報道によりますと、水銀などの有害物質を含む美白クリームやスキンケア製品が、保健当局による度重なる警告や禁止措置にもかかわらず、現在もECサイトやSNS上で販売されていることが明らかになりました。



情報元:The New Straits Times(2025年7月掲載)https://www.nst.com.my/news/nation/2025/07/1241072/whitening-creams-mercury-banned-substances-still-sold-online

多くの製品は保健省によって承認が取り消されているにもかかわらず、正規の通知番号を記載せず、偽の口コミやレビューで消費者を誘導している事例が確認されています。特に若年層の女性がターゲットとなっており、一部の製品はブラックリスト入り後もレビューが続いています。

報道によれば、これらの製品の多くは他の国から大量輸入され、マレーシア国内で再包装・販売されているとのことです。低コストで大量生産されながらも、高価格で販売されることが多く、高い利益率と引き換えに消費者の安全が脅かされています。

また、使用によって重度の肌トラブルに見舞われた消費者の声や、水銀やトレチノインの長期使用による深刻な健康被害について、薬剤師の専門的な警告も掲載されています。

専門家は、オンライン販売チャネルに対する監視強化と規制の徹底、ならびに消費者による製品の安全性確認の重要性を強く訴えています。

WWIPによる調査結果

WWIPがマレーシアの大手電子商取引サイト「Lazada」にて行った検索調査によると、前述の報道に記載されていたような製品が、実際に掲載・販売されていることが確認されました

Lazadaは、東南アジア地域で広く利用されている大手ECプラットフォームであり、マレーシア国内でも多くのユーザーを持つオンラインマーケットプレイスです。

調査の結果、ある該当製品は「5点満点中4.9」の高評価を受けており、レビュー件数も二桁に達していることが判明いたしました。

このような評価状況から、一部の消費者が有害成分の存在に気付かずに購入している可能性が懸念されます。

今後本格的に摘発が始まることにより、ブランド価値が大きく損なわれる可能性があります。海外の化粧品企業にとって、マレーシア市場に参入する際には、規制を遵守しつつ、現地の状況をよく把握し、安心・安全な製品提供を心がけることが求められます。

ご参考情報

株式会社ワールドワイド・アイピー・コンサルティングジャパンでは、マレーシアの規制に基づき化粧品の成分チェック、クレームチェックサービス、PIF作成サポートをご提供するとともに、製品通知や登録手続き、また規制チェック等の専門的なサービスをご提供しています。

<本件に関するお問い合わせ>
株式会社WWIPコンサルティングジャパン
TEL : 03-6206-1723
Email: official@wwip.co.jp

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