【中国化粧品】NMPA「化粧品検査管理弁法」&広州市市場監督管理局「普通化粧品登記のよくある質問(60期)」発表 〜「化粧品生産品質管理規範」に規定されている内容をもとにした5つのQ&Aを公表。

2024年4月29日、中国国家薬品監督管理局(NMPA)より「国家薬品監督管理局公布 化粧品(2024年第52号)」が公布され、「化粧品検査管理弁法」が発表されました。当該弁法は、NMPA登録・登記された化粧品の企業査察に関するルールの1つであり、査察の種類やおおまかな査察実施の流れが規定されています。

そして、2024年5月21日には、広州市市場監督管理局(知識産権局)より「普通化粧品登記のよくある質問(60期)」が発表されました。

ここでは「化粧品生産品質管理規範」に規定されている内容をもとにした5つのQ&Aが紹介されています。

以下、弁法の重要ポイントとともに、広州市市場監督管理局のQ&Aも併せてご紹介致します。

原文リンク:NMPA「国家薬品監督管理局公布 化粧品(2024年第52号)」
https://www.nmpa.gov.cn/xxgk/ggtg/hzhpggtg/jmhzhptg/20240429152815113.html?type=pc&m=

原文リンク:広州市市場監督管理局「普通化粧品登記のよくある質問(60期)」
http://scjgj.gz.gov.cn/zwdt/tzgg/content/post_9661080.html

<1>「化粧品検査管理弁法」重要ポイント

1)検査の種類

検査(査察)の性質と目的に基づき、以下4つに分類される

許可検査化粧品の生産許可を取得する過程で実施される検査。 *「生産許可」とは、中国国内における製造業許可のようなものであるため海外企業は対象外と考える。
定期検査査察対象者側の状況が、化粧品の関連法規・強制性国家標準等のルールに適合しているかどうか確認する検査。
原因検査登録/登記、抜き取り検査、副作用監視測定、リスク検測、苦情報告、事案調査、世論調査等の過程で発覚したリスク情報に基づいて実施される検査。
その他上記3つ以外により実施される検査。

2)検査方法

現場検査と非現場検査がある。

非現場検査とは、検査対象者から提出された文書の検査や遠隔でのリモート検査を指すが、海外企業の場合は恐らくこちらの方法をメインとされる可能性が高い。

3)定期検査

①検査対象は「化粧品生産経営者」

化粧品生産経営者の定義:

化粧品登録者・登記者、受託生産者、境内責任者

経営者、化粧品集中交易市場の設立者、展示即売会の開催者、電子プラットフォームの経営者及び化粧品を経営の際に使用したり、消費者に提供したりする美容室やホテル等

②重点検査対象

・児童用化粧品

・特殊化粧品

・安全監視測定期間中の新原料を使用した化粧品

・上記を用いた化粧品登録者・登記者、受託生産者等

4)原因検査

この検査の場合、「検査部門は検査対象者に対して事前に検査内容を告知してはならない」というルールがある。

5)当該弁法の適用範囲

対象は、化粧品・化粧品新原料・歯磨き剤・歯磨き剤新原料に関する検査。

※薬品監督管理部門は監督管理業務において、化粧品原料及び化粧品に直接接触する包装材料の供給者及び生産企業に対して拡大検査を行う場合にも当該弁法を適用する。

6)施行日

2024年11月1日

<2>広州市市場監督管理局「普通化粧品登記のよくある質問(60期)」

質問1 :化粧品の製造を委託する場合、委託者はどのような義務を負うか?

回答 : 化粧品の生産を委託する場合、委託者は生産された化粧品の登録者または登記者となります。委託者は、 品質管理システムと組織体制を確立し、消費サイクル全体を通じて化粧品の品質、安全性、有効性の主張に責任を持ち、登録と登記申請の管理、生産活動の監督、及び、上市後の副作用の監視、評価と報告、製品のリスク管理とリコール、製品と原材料の安全性の再評価などの関連する義務を履行するものとします。

質問2 : 委託者はどのような品質管理関連システムを構築すべきか?

回答 : 委託者が確立および実装する必要がある品質管理関連システムには、以下が含まれるが、これらに限定されない。

化粧品の登録・登記管理、従業員の健康管理、従業員教育、品質管理システムの自主検査、製品出荷管理、製品サンプル管理、製品販売記録、製品保管および輸送管理、製品返品記録、製品品質に関するクレーム管理、製品リコール管理等の制度、および化粧品の副作用監視および評価システム。

また、受託生産企業に原材料を提供する場合、委託者は、「化粧品生産品質管理規範」の要求事項に従って、原材料仕入れ企業の選定、原材料のレビュー、原材料の受け入れ検査記録、出荷管理などの関連システムを確立し、実施する必要がある。

質問3 : 委託者は製品サンプルの保存管理システムをどのように実装する必要があるか?

回答 : 委託者は、サンプルを自ら保管するものとし、受託生産企業にサンプルの保管を委託してはならない。

委託者は、サンプルをその住所地もしくは主たる事業所、またはその住所地もしくは主たる事業所が所在するその他の事業所(通常は同一の市区町村の行政区域内)に保管しなければならない。

サンプルが保管されている場所が本拠地または主たる事業所ではない場合、委託者は、サンプルの保管を開始した日から20営業日以内に、サンプル保管場所の住所および関連情報を、現地の管轄当局に報告する。

 サンプルは出荷される製品のロットごとに保管する必要があり、保管するサンプルの数は工場検査に必要な数量の少なくとも2倍とし、製品品質検査の要件を満たしている必要がある。 保管されたサンプルの保存期間は、製品の品質保証期間満了後、6か月以上とする。  保管されたサンプルの記録を作成し、品質保証期間中に製品の劣化が判明した場合、企業は速やかに理由を分析し、法規定に従って販売された化粧品のロットを回収し、安全上のリスクを積極的に排除する必要がある。

質問4 : 委託者は、受託企業の生産活動をどのように監督すべきか?

  回答 : 委託者は、受託生産企業の生産活動の監督管理体制を確立し、監督管理の内容、方法、頻度、発見された問題の処理方法等を明確にしなければならない。 委託者は、自社の状況に応じて効果的な監督措置を講じ、実際の運用では、受託生産企業への品質管理担当者の派遣、不定期の現場検査、定期的なサンプル検査など、委託生産品の品質を確保するためのさまざまな措置を講じ、受託生産企業は要求事項を遵守しなければならない。生産においては法令に規定された技術的要求事項、登録登記資料および委託契約の品質要求事項に従って生産、監督記録を作成する必要がある。

質問5 : 委託者は、適切な受託生産企業をどのように選択すべきか?

  回答. : 委託者は、受託生産企業の選定基準を定め、委託する製品の種類、単位、生産規模、生産頻度、品質要求事項等に応じて、委託生産企業の選定基準を決定する。 初めて生産を委託する場合、受託生産企業の資格審査、検査および評価を実施する必要がある。

資格審査のポイントは、受託生産企業が受託生産の基本的な条件を備えているかどうか、受託生産企業が有効な生産許可証を持っているか、子供用スキンケア化粧品やアイスキンケア化粧品については、対応する生産条件を備えているかによっても判断される。

検査と評価のポイントは、受託生産企業の生産能力と生産品質管理システムの確立と運用状況にある。

検査と評価は、一般的に受託生産企業の現場評価の形で行われる。 評価内容には、主に生産環境、生産および検査施設および設備、管理および技術者の配置、原材料および製品管理、品質管理、品質管理制度および記録システム等が含まれる。 検査では、規制当局による受託企業の過去の検査記録や第三者による品質システムの認証記録を参照できる。

(注)本Q&Aでは、関連法規制文書のほか、「化粧品監督管理条例の解釈」、「化粧品生産品質管理規範検査実施ガイドライン」、「化粧品生産品質管理規範に関する240の質問」を参照しています。

WWIPより:

「化粧品検査管理弁法」は今年11月より施行されます。

昨年来、NMPA当局による日本企業に対する査察は増加傾向にあります。

広州市市場監督管理局のQ&Aの内容は、「化粧品生産品質管理規範」の内容をあらためて解説したもので目新しい内容ではありませんが、あらためて化粧品メーカーに注意を促している点に注目すべきと考えます。

今回ご紹介した“重点検査対象”に該当する製品を扱う企業は特に注意する必要があります。             

<本件に関するお問い合わせ>
株式会社WWIPコンサルティングジャパン
TEL : 03-6206-1723
Email: official@wwip.co.jp

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