【中国税関総署】中国税関より「中華人民共和国税関 化粧品の輸出入検査監督管理弁法(意見募集稿)」発表

2024年5月22日、中国税関総署より「中華人民共和国税関 化粧品の輸出入検査監督管理弁法(意見募集稿)」が発表されました。WWIPは当該通知のうち、中国へ化粧品を輸出する日本企業に関わる重要なポイントに絞ってご紹介致します。

原文リンク:http://www.customs.gov.cn/customs/302452/302329/zjz/5891867/index.html?VbY7rnwef3WG=1716522199588

1)改正の背景

当該弁法は2012年の施行以降、数回改正されています。

今や中国は世界第2位の化粧品消費大国となり、一般貿易・免税品・展示用サンプル・越境EC等、様々な業態で輸出入されている状況ですが、よりしっかりと管理監督するべく、再度改正されることとなりました。

2)税関による管理監督

①検査輸入化粧品は税関で検査され、合格した場合のみ販売できる。不合格となった場合は、税関から
輸入元に対しそれらを処分。(返送または廃棄)するよう通知される。
→輸入元が税関の指示に従わない場合、税関からの警告または1万人民元以下の罰金が科される。
 
参考:化粧品監督管理条例 第45条(抜粋)
出入国検査検疫機構は「中華人民共和国輸出入商品検査法」の規定に照らして輸入する化粧品に
対し検査実施する。検査で不合格の場合は輸入してはならない。
②立入検査必要に応じて、貨物証明、製品包装、ラベル表示、製品の官能特性、容器又は保管場所の衛生状態等の適合性に関して立入検査を行う。
③ラベル
検査
化粧品ラベル表示内容が規制に沿っているかどうかの確認。
④抜き取り検査税関による抜き取り(サンプリング)検査。
⑤実験室
試験
必要に応じて、サンプルを試験機関へ送って試験実施する場合あり。

3)輸入元(荷受人)の義務

①輸入する化粧品を審査しなければならない。

参考:化粧品監督管理条例 第45条(抜粋)

輸入業者は輸入しようとする化粧品に対し、それらが既にNMPA登録あるいは登記されているか、また、本条例・強制性国家標準・技術規範に適合しているか審査確認しなければならない。審査確認し不合格の場合は輸入してはならない。輸入業者は、事実に基づき輸入化粧品の情報を記録し、記録保存期間は本条例第31条第一款の規定に適合させなければならない。

②輸入する化粧品の輸入及び販売記録を作成し、通関証明書類を保管し、記録された情報の真正性及び完全性について責任を負い、トレーサビリティを確保しなければならない。記録の保管期間は製品の使用期限満了後1年以上、使用期限満了が1年未満の場合の保管期間は2年以上とする。

4)税関検査の一部または全部が免除される場合

①免税製品製品の品質と安全性が中国の関連規制に準拠している旨の声明書及び海外政府機関の発行した自由販売証明または原産地証明等が必要。
免税化粧品は中文ラベルの貼付とラベル審査は免除。
②NMPA登録・登記手続きのためのサンプルや非売品※NMPA申請のために中国で検査を行うとき、サンプルを中国の検査機関へ送付する必要がある。その時点ではまだNMPA許可が取れていないので、通常であれば通関できないが、サンプル数が合理的で、事情説明資料・非売品である誓約書等の必要書類を揃えれば税関検査が免除され輸入できる。宣伝用の非売品サンプルの扱いも同様。
③展示会用製品※展示会に出すための、テスター・販売目的でない展示品については、展示会主催者が発行する展示会参加証明書を提示すれば税関検査が免除される。展示会終了後は税関の監督下でサンプルを返品または廃棄する必要あり。
④個人が購入する
製品
個人が海外で購入した、個人で使用する目的の製品(贈答品含む)は、入国時に検疫される。
※上記②③の目的で輸入した製品をテスター使用したり、販売した場合、違法所得を没収される。商品価値の5%以上20%以下、最大10万人民元の罰金が科される。

WWIPより

今回の意見募集稿中、以下の記述があります。

第二十三条〔管理措置〕
税関総署は、危険の種類及び程度に応じて、次に掲げる管理措置を講ずることができる。
(1)厳格な監視、抜き取り検査の実施割合の増加、検査報告書の一括提出など、輸入を条件付きで制限する。
(2) 貨物の輸入、破壊又は返品の停止又は禁止。
(3)輸入化粧品の安全のための緊急計画を発動する。
すべてのレベルの税関は、管理措置の実施に責任がある。
輸入された化粧品の安全上のリスクが制御可能なレベルまで減少した場合、税関は対応する管理措置を解除する
場合がある。

この記述から、恐らく中国国内に流入する輸入化粧品に不備が多く、その管理方法について中国当局内で問題視され、取締りが急務となっているのだと読めます。一般貿易で輸出される製品は、NMPA登録・登記という厳しい手続きを経て中国市場に入りますが、通関時にも税関によるチェックを受けることになります。

また、NMPAの発表している法規では、化粧品登録者・登記者に最終責任を課す内容がよく見られますが、今回の意見募集稿では“輸入元”の責務も明記されているため、販売代理店にも注意喚起する必要があろうかと考えられます。

現時点では意見募集段階ですが、今後より一層海外から輸出する化粧品にも厳しい管理制度が敷かれることとなると思います。確定法や追加通知等が発表されましたらお知らせ致します。

<本件に関するお問い合わせ>
株式会社WWIPコンサルティングジャパン
TEL : 03-6206-1723
Email: official@wwip.co.jp

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