中国国家薬品監督管理局(NMPA)が化粧品の毒理学試験法に関する15項目の通知を公表。光安全性試験「ROSアッセイ」が承認され《化粧品安全技術規範(2015版)》に収載されました。

2024年3月21日、中国国家薬品監督管理局(NMPA)は、化粧品の毒理学試験法に関する以下15項目を公表。試験法については、《化粧品安全技術規範(2015版)》に収載し、2024年12月1日より化粧品の登録、登記(備案)に関する試験は、本通告が発表した試験方法で実施することを正式に通知しました。

  1. “化粧品安技術規範”19項目の修正・策定総括表
  2. 化粧品毒理学試験法におけるサンプル前処理に関する通則(General Rule for Pretreatment of Cosmetic in Toxicological Experiments)
  3. 急性吸入毒性試験法(Acute Inhalation Toxicity Study)
  4. 急性吸入毒性試験 急性毒性分類法(Acute Inhalation Toxicity-Acute Toxic Class Method)
  5. 光活性酸素種(ROS)の測定試験法 (Reactive Oxygen Species (ROS) Assay for Photoreactivity)
  6. in vitro 皮膚感作性U937細胞株活性化試験法(U937 Cell Line Activation Test)
  7. in vivo 経皮吸収試験法(Skin Absorption: in Vivo Method)
  8. 28日間反復経口投与毒性試験法(Repeated Dose 28-Day Oral Toxicity Study)
  9. 28日間反復吸入毒性試験法(28-Day Inhalation Toxicity Study)
  10. 90日間反復吸入毒性試験法(90-Day Inhalation Toxicity Study)
  11. 拡張一世代繁殖毒性試験法(Extended One-Generation Reproductive Toxicity Study)
  12. 二世代生殖毒性試験法(Two-Generation Reproductive Toxicity Study)
  13. 化粧品中のジオキサンの試験法(Determination of Dioxane in Cosmetics)
  14. 化粧品中のジメトリダゾール等120原料の検査方法(Determination of Dimetridazole and Other 119 Kinds of Components in Cosmetics)
  15. 化粧品中の二硫化セレンの試験法(Determination of Selenium Disulfide)
目次

WWIPコメント

ROSアッセイ承認による化粧品新原料申請への影響

化粧品安全技術規範に収載された光活性酸素種(ROS)を測定するための試験方法(以下「ROS測定試験方法」という)は、OECD TG No.495に準じたものです。化粧品新原料のNMPA申請の際には、光に対する反応性を確認するために、まずは紫外線吸収特性があるか否かの確認が求められ、紫外線吸収特性があった場合には、光毒性試験と光感作性試験の実施が必要となります。光毒性試験には、動物試験代替法を用いることができますが、光感作性試験には、動物試験代替法がなく、動物試験をせざるを得ないのが現状です。
このたび、ROS測定試験方法が化粧品安全技術規範に収載されたことにより、本試験で陰性をなった場合には、光毒性試験と光感作性試験を実施する必要がなくなりました。
これによって、動物試験を回避したい化粧品原料企業にとっては、化粧品新原料のNMPA申請をこれまでより進め易くなったものと考えます。

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